【マイルCS】ホウオウアマゾン コントレイルへVバトン!矢作厩舎の勢い止めない

[ 2021年11月19日 05:30 ]

ホウオウアマゾン
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 勢いのある厩舎が国内G1も制するか。「第38回マイルCS」の出走馬が18日、確定した。日本調教馬として史上初めて米G1ブリーダーズカップを制した矢作厩舎が、3歳の素質馬ホウオウアマゾンを送り込む。国内外で数々のG1タイトルを手にしてきたトップステーブルだが、当レースは2着4回と惜敗続き。僚馬がつくった最高の追い風に乗り、強豪マイラーに立ち向かう。なお同レースは19日に枠順が決まる。

 矢作厩舎は今月、国内外の重賞4勝。京王杯2歳Sをキングエルメスで勝ち、米G1ブリーダーズカップをラヴズオンリーユー(フィリー&メアターフ)、マルシュロレーヌ(ディスタフ)がV、先週の福島記念もパンサラッサが逃げ切った。先輩ホースのVバトンを引き継ぎ、3歳ホウオウアマゾンが大舞台に挑む。

 担当する池田康弘厩務員(63)は「駅伝のリレーのように、来週のコントレイル(ジャパンC出走)にたすきをつなげないとね。俺で止めるわけにはいかない」と意気込む。秋初戦のスワンSは逃げて3着に粘った。「千四の距離は初めてで息が入らず、厳しい展開。それでもよく踏ん張っていた。マイルの方が自分でペースをつくりやすい」と舞台替わりを歓迎する。

 最終追い翌日の木曜朝は厩舎周りの運動を1時間行った。調教後の馬体重は516キロ。休み明けで22キロ増の508キロだった前走からさらに増えている。「馬体重はちょっと減るか、同じぐらいで出せそう。同じでも体は引き締まっているからね。状態はさらにいいと思うよ」とジャッジした。

 キャリア48年目のベテラン厩務員は05年の開業時から厩舎を支えてきた。これまで担当馬で挙げた133勝の馬名は全て手帳に書き残している。「矢作厩舎に来てから16年半で65勝。重賞は勝ったが、G1はあと一完歩あればというところだった」。G1はグロリアスノア(10年JCダート)、タイセイドリーム(18年中山大障害)の2着が最高。首、鼻差の接戦だった。

 アマゾンで挑むG1は春のNHKマイルC(9着)以来。当時、騎乗した武豊からの言葉も励みにしてきた。「豊さんが“パンとすれば大きいところを狙える”と。あれだけのジョッキーがなかなか、そこまで言ってくれないからね。豊さんの言うことを信じて頑張ってきた」と力を込める。

 矢作厩舎としてもマイルCSは2着4回と惜敗続き。池田厩務員は「G1では運も必要。それでも土台はしっかりつくっておかないと。状態はこれ以上ないぐらい。完璧」と太鼓判を押す。厩舎の勢いに乗り、悲願のタイトルをつかみ取る。

 ◇矢作 芳人(やはぎ・よしと)1961年(昭36)3月20日生まれ、東京都出身の60歳。日本有数の進学校、開成高校を卒業後、オーストラリアに渡り武者修行。帰国後の84年、栗東トレセンに入り、厩務員、調教助手を経て04年、14度目の挑戦で調教師試験に合格。05年3月に開業。JRA通算7470戦724勝、うち重賞52勝、G1・13勝。

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2021年11月19日のニュース