宮下瞳 通算1000勝!国内女性騎手初の快挙「ほっとした」

[ 2021年11月19日 05:30 ]

宮下瞳
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 歴史的瞬間だ。名古屋の女性ジョッキー、宮下瞳(44)が18日、名古屋2R(ダート1400メートル)でリアルスピードに騎乗して1着となり、中央・地方を含めて国内女性騎手初の通算1000勝を達成した。73年以降の国内地方騎手で301人目。

 前日2勝でリーチをかけ、この日ひと鞍目の騎乗で決めた。道中4、5番手。向正面から徐々に押し上げていく。手応え良く4コーナーを回ると直線半ばで前のコマフォーゼをとらえ、3馬身差でメモリアルVのゴールを駆け抜けた。

 「いつもリーチがかかると、なかなか勝てない。ほっとした。乗り難しい馬だったので気持ち良く走らせてあげられたらいいなと思っていた。復帰したときは1000勝までいけるとは思っていなかった」

 95年にデビューし、11年に一度引退した。結婚、息子2人の出産を経て16年に復帰、昨年は国内女性初の年間100勝を達成。子育てをしながら深夜から調教に騎乗するなどハードな生活を続け、活躍してきた。

 ひとつの区切りを迎えたが騎手としてのゴールは、まだ先。きっと、この勝利も通過点にすぎない。きのうより今日、今日より明日と日々、腕を磨いてきた。

 海の向こうでは豪州のジェイミー・カー(25)や英国のヘイリー・ターナー(38)、ホリー・ドイル(25)ら女性が活躍する時代。日本にも世界に誇れる女性ジョッキーがいる。なお、地方の女性騎手通算勝利数2位は高知の別府真衣(33)で745勝(17日時点)。中央では藤田菜七子(24)の139勝が最多となっている。

 ▽現役女性騎手 JRAは藤田菜七子、古川奈穂、永島まなみの3人。今年4月17日には新潟でワンツースリーの快挙。地方競馬には11人、ばんえい競馬には1人が所属する。JRA、地方ともG1を制した女性騎手はいないがJRAでは02年の中山大障害をロシェル・ロケット(ニュージーランド)がギルデッドエージで制している。

 ◇宮下 瞳(みやした・ひとみ)1977年(昭52)5月31日生まれ、鹿児島市出身の44歳。祖父が馬を飼っていたことで幼い頃から馬に親しみ、名古屋競馬の騎手に。95年10月22日デビュー(9着)。同24日にショウワミラクルで初勝利。妊娠を機に11年8月に引退、翌年3月に長男を出産。14年に次男を出産した後、16年7月に騎手復帰。今年6月、藤沢和雄師、柴田善臣騎手らとともに農林水産大臣賞を受賞。

 【現役女性ジョッキーからも祝福コメント】

 ▼藤田菜七子(JRA女性騎手)本当におめでとうございます。本当に凄いことだなと思います。私自身、勇気をもらえます。いま私は休業中ですけど、復帰してもっと頑張っていけたらいいなと思います。

 ▼佐々木世麗(園田の女性ルーキー騎手)1000勝おめでとうございます。私にとってやっぱり憧れの人ですし、目標にしています。これからもずっと勝ち続けていってほしいです。私も1000勝を目標に、宮下さんに少しでも近づけられるように頑張っていきたいです。

 ▼古川奈穂(JRA女性ルーキー騎手)一度、騎乗から離れて、これだけ活躍されていますし、凄い方です。競馬学校生の時にお会いさせてもらったことがあり、私がリハビリ中にも気にかけて連絡してくださったんです。レースではまだ一緒に乗ったことがありませんが、いつか一緒に乗ってみたいです。

 ▼永島まなみ(JRA女性ルーキー騎手)1000勝は凄い記録だと思います。出産、育児を経て復帰されて女性として尊敬する部分もありますし、私も続けるように頑張っていきたいです。

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