トウカイテイオーの血を令和に繋ぎたい!ファンの支援が後継種牡馬を送り出す

[ 2021年8月2日 11:00 ]

トウカイテイオー後継種牡馬のクワイトファイン(出越茂毅氏提供)
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 「皇帝」と呼ばれたシンボリルドルフを父に持つ、トウカイテイオー。昭和、平成の日本競馬を支えた偉大な血統が失われる危機に瀕(ひん)していた。2019年、「トウカイテイオー後継種牡馬プロジェクト」がスタート。貴重なトウカイテイオー産駒だったクワイトファインの元オーナー・原田治正さんが発起人となり、後継種牡馬として貴重な血統を後世に継いでいくプロジェクトが始まった。

 19年夏、9歳で現役を引退したクワイトファイン(地方競馬での成績は142戦6勝)。種牡馬入り、種付けから産駒の誕生に発生する費用の一部となる600万円をクラウドファンディング(CF)で募集した。「とりあえず、やるだけのことはやってみようと思った」と原田さん。11月17日から約2カ月間で目標を上回る788万3000円を集めた。「正直、ここまで支持を頂けるとは思ってなかったです」 

 その血統には往年の競馬ファンにとって、懐かしいスターホースの名前がそろう。トウカイテイオー(父)、シンボリルドルフ(父の父)、ミスターシービー(母の父)、トウショウボーイ(母の父の父)、シンザン(祖母の父)。数々の名馬の血を受け継いでおり、日本近代競馬の結晶ともいうべき血統背景を持つ。

 20年から種牡馬入りしたクワイトファイン。1年目は2頭に種付けを行い、母キネオスイトピーが受胎。今年5月29日に産駒第一号となる牝馬が誕生したが、病気のため7月27日に天国に旅立った。原田さんは「調子は良くないとは聞いてましたが、残念です」と肩を落とす。テイオーの血を引き継ぐプロジェクトは種牡馬2年目の産駒に託された。

 種牡馬2シーズン目の今年は3頭の繁殖牝馬に種付けを行い、2頭が受胎。「自分で用意した繁殖牝馬が1頭、賛同して頂いているオーナーさんからも2頭を用意していただいた。そのうち1頭はディープインパクト産駒の牝馬だったんですけど、それだけが受胎しなくて。本当、オーナーさんには感謝。受胎しなくて、申し訳なかったですね」

 来年、牡馬が誕生すれば将来的に種牡馬としてテイオーの血を引き継いでいくことができる。「もちろん、牡馬が生まれてサイヤーラインを繋いでいくのが理想」と語るが、その一方「ヨーロッパもそうですけど、現代の血統は偏ってきていますからね。こういうプロジェクトを通じて、血統の多様性について考えていくひとつのきっかけになればという思いもあります」

 ファンにとっては新しい形で競馬サークルと関わる機会にもなった。原田さんは「クラウドファンディングをやってみて、参加したいというファンの方が多いことが分かりました。今まではPOG(ペーパーオーナーゲーム)や一口馬主が主流でしたからね。こういう参加の機会も、ファンの方は求めてらっしゃるのかなと。競馬の楽しみ方のチャンネルが増えればと思います」と新たな可能性についても言及。そのきっかけともなるプロジェクトが動き出している。

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