【クイーンS】テルツェット 豪快差し切りV!ルメールはJRA全10場重賞制覇に王手

[ 2021年8月2日 05:30 ]

<函館11R・クイーンS>突然の雨の中、先に抜け出したマジックキャッスル(左)を一気に差し切って勝ったルメール騎乗のテルツェット=手前中央(撮影・千葉茂)
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 ターフの大和なでしこがG1の金メダル獲りに名乗りを上げた。牝馬のG3「第69回クイーンS」が1日、函館競馬場で行われ、3番人気のテルツェット(4=和田正)が豪快に差し切って快勝。ダービー卿CTに続く重賞2勝目を飾り、秋のG1へ前進した。初コンビのクリストフ・ルメール(42)は函館の重賞9回目の騎乗で初優勝。JRA全10場重賞制覇へ小倉を残すのみとなった。

 五輪会場に誇らしく揚がった日の丸を思わせる赤玉霞(かすみ)の勝負服がカメラのフラッシュに映える。アーモンドアイですっかりおなじみになったシルクレーシングの勝負服を着た名手には誰も逆らえない。これでJRA9場目の重賞制覇。残すは小倉のみ。「さすがルメールさん。馬群の中で冷静に巧みにテルツェットを誘導してくれた」と和田正師が手放しで褒めちぎる名手の手腕。「彼女(テルツェット)も冷静でした。終始リズム良く走れたのが大きい」。東京五輪の卓球混合ダブルス優勝の際、伊藤美誠に花を持たせた水谷隼のように、ルメールは初騎乗のパートナーに勝利の手柄を譲った。

 直線で先に抜け出したのは1番人気マジックキャッスル。その外から赤玉霞を背負った4歳牝馬が猛然と襲いかかる。G1でも好勝負を演じる同期のライバル相手に計ったように首だけ前に出た。「馬群からひるまずに伸びてくれた。前走(ヴィクトリアマイル14着)は気負いすぎて力を出し切れなかったので今回は落ち着きがテーマ。馬場に先出しさせてもらったおかげでテンションも上がり過ぎなかった」。同師は落ち着いた歩様で厩舎へ引き揚げる小さな鹿毛に頼もしげな視線を送る。今春、4連勝でダービー卿CTを制した実力は本物だった。

 力のある仲間たちと切磋琢磨(せっさたくま)して互いを高め合う効果を「ピア効果」という。五輪の卓球では石川佳純、平野美宇とのピア効果で成長した伊藤美誠が勝負強さを見せつけた。三重奏(テルツェット)と名付けられたディープインパクト産駒も同厩舎の障害王者オジュウチョウサン、ライオンボス(19年アイビスSD優勝)と一緒に調教を重ねながら頭角を現した。重賞ウイナー3頭が三重奏のように響き合う競馬のピア効果だ。「春のG1では難しかったけど、パワーアップすれば秋は楽しみ」とルメール。「今後は未定だが、距離にも融通が利く。レース直前の大雨も問題なかった。(大阪杯の覇者)レイパパレみたいに軟らかい馬場も走れる」。和田正師は同期のG1牝馬の名を挙げながら秋への手応えを語る。五輪会場に翻る日の丸をイメージさせる赤玉霞軍団のG1候補だ。

 ◇テルツェット 父ディープインパクト 母ラッドルチェンド(母の父デインヒルダンサー)17年4月20日生まれ 牝4歳 美浦・和田正厩舎所属 馬主・シルクレーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績8戦6勝(重賞2勝目) 総獲得賞金1億3025万7000円 馬名の由来は三重奏、三重唱(音楽用語)。

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