【オークス】ソダシ進化!無敗2冠へ“人馬一体”折り合いスムーズ&末脚の伸びUP

[ 2021年5月20日 05:30 ]

<オークス>吉田隼を背に坂路をルビーカサブランカ(手前)と併せて追い切るソダシ
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 牝馬3冠の第2ラウンド「第82回オークス」(23日、東京)の追い切りが19日、美浦、栗東両トレセンで行われた。無敗で桜花賞を制した白毛馬ソダシは栗東坂路併せ馬で先行先着。主戦の吉田隼人(37)と人馬一体の走りからラストは1F12秒3と鋭く伸び、史上3頭目の無敗2冠へ万全の態勢を整えた。同レースは20日に出走馬と枠順が決まる。

 「いつも通り」だからこそ、進化がよく分かる。ソダシの最終追いは昨秋アルテミスSから4戦全て坂路で4F54秒台。だが、ラスト1Fは12秒7→12秒9→12秒5と来て今回は12秒3。真っ白な馬体が軽やかにはじけた。

 「仕上がっていると思ったので馬の行きたい分だけ最後は伸ばした。手綱越しの手応えも良かったです」

 感触を確かめた吉田隼も満足げだ。僚馬ルビーカサブランカ(4歳3勝クラス)との併せ馬。テンから15秒2→14秒2→13秒0ときれいな加速ラップを刻んだ。直線に向くと鞍上の力強いたぐりでダイナミックなフォームへ。ラスト50メートルで手前を替えるとグイッとひと伸び。パートナーに1馬身先着した。

 5戦全勝で挑むオークスの舞台。父クロフネの血統面から距離がポイントとされるが、陣営は全く不安視していない。須貝師は「2歳の北海道で下ろす(デビューする)前からオークスを目標というイメージだった。距離が延びても大丈夫だと思う」とむしろ歓迎ムード。心臓の強さについては獣医のお墨付きも得ている。だからこそ、大一番に向けても調教スタイルを変えることなく臨む。

 あとは自分との闘いだ。気性の激しい馬が多い白毛一族。道中で消耗しては距離は持たないが、普段の調教から吉田隼がコンタクトを取り絆を深めてきたことで折り合い面が改善した。この日も呼吸はピッタリ。しまいの伸びが増したのはその証だ。「追い切りの指示はなかった」(吉田隼)というのも、人馬一体の走りが完成したから。鞍上は「今までやってきたことをこなせれば距離は持つと思う。この馬のタフさをうまく生かしてあげたいです」とイメージを膨らませた。

 昨年のオークスは新型コロナ感染拡大防止のため無観客。今年は2年ぶりにファンの前でレースが行われる。「競馬を知らない3歳の子供さんから90歳のおばあさんまで存在を知ってくれている。少しでも明るいニュースを届けられたら」と須貝師。走るたびに常識を覆してきたスターホースに、距離の壁など恐るるに足らない。新緑の府中を真っ白に染めてみせる。

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