繁田師 浦和愛あふれる厩舎づくりへ第一歩

[ 2021年4月2日 05:30 ]

引退式であいさつする繁田
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 【地方からの風】3月31日、浦和競馬10R。ヴァーツラフで4着のゴールを切ると手綱を取った繁田健一(40)はそのまま向正面まで流し、今度は向きを変えると馬上で騎手人生を振り返るように一完歩一完歩ゆったりとしたキャンターで検量室前に戻ってきた。下馬すると取り囲んだ関係者から自然と拍手が湧き起こり「お疲れさま」の声が飛び交った。ここまでJRAでの2勝を加えて通算1500勝。地方で1万7239回目となるラストライドだった。

 「最後も信条としている平常心で騎乗できたし、無事終えてホッとしている。とにかくケガが多かったし、騎乗制限をかけながら乗っていたようにベストのパフォーマンスを出せなかったので引退を考えた」と繁田は98年11月のデビューから22年5カ月を振り返った。思い出の馬として真っ先に挙がったのが06年ロジータ記念を制したマキノチーフ。「浦和が弱いと言われていた頃に勝ってくれた。騎手としてやり残したことはないし楽しい生活でした」。そう言葉をつないで1日から新たなステージに踏み出した。

 それが一発合格を果たした調教師。「30(歳)くらいからなりたいと思っていた。開業までにいろいろ研修を積んでいきたい。馬主から喜んでもらえ、ファンからは楽しんでもらえる厩舎づくりをしたい。浦和にずっといるので応援よろしく」。浦和愛たっぷりの厩舎づくりへ「繁田トレーナー」が第一歩を踏み出した。

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2021年4月2日のニュース