【東京新聞杯】カラテ 勝利の“形”身につけた!珍名「小田切軍団」11年ぶり重賞制覇へ期待

[ 2021年2月3日 05:30 ]

東京新聞杯で「小田切軍団」として11年ぶり重賞制覇を目指すカラテ
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 東京日曜メイン「第71回東京新聞杯」の登録馬で異彩を放つのがカラテだ。一度聞いたら忘れない単刀直入なネーミングは、珍馬名で知られる「小田切軍団」の所有馬。現在、2→3勝クラスを連勝中。登録馬で唯一の直近連勝馬と、馬名だけでなくその勢いにも注目だ。ライバルを一刀両断にする勝利の“形”を会得した上がり馬が、「軍団」として11年ぶりの重賞制覇を目指す。

 数々の珍馬名で競馬ファンの心をつかんできた名物オーナー小田切有一氏。オレハマッテルゼ(06年高松宮記念)など、80~00年代にかけて多くの活躍馬を所有した。近年はやや低迷していたが、久々にタイトルを意識できる馬が登場した。息子の光氏が所有する、その名もカラテ。由来はもちろん、夏に予定される東京五輪で初の正式種目に採用された空手から。実にタイムリーな馬名でもある。

 注目は馬名だけではない。昨年暮れから年明けにかけて2→3勝クラスを連勝。いずれも中団追走から3角手前で早めの仕掛け。直線入り口で並びかけ、残り100メートルで突き放す。高橋祥師が「強いと感じさせる内容」と振り返るように、勝利の“形”を身につけたのが躍進の要因の一つだ。

 強い競馬を可能にしたのが馬体の大幅な成長。476キロでデビューした馬が、2走前には536キロ。約2年半で50キロ以上増加した。師は「数字は増えているが太め感は全くない。全体的に一回り大きくなった印象。その点も好成績につながっているのでは」と分析する。蹄の不安で出世が遅れたが、日々の鍛錬で体質を強化。肉体増強にも成功し、秘めていた能力を発揮し始めた。まさに“心技体”がかみ合っての重賞挑戦だ。

 昨夏、東京で2勝目をマークした際は不良馬場。2走前は雨中のレースで、前走も連続開催の荒れた馬場だった。「道悪や力のいる芝が得意。開幕2週目のきれいな馬場がどうか。雨なら自信を持てるんだけど…」。師は東京の高速決着に半信半疑だが、前走の勝ちタイム1分32秒9は前開催の中山芝1600メートルで最速。「速い時計で勝てたことで楽しみは持てる」と期待も口にした。

 勝てば小田切軍団としては10年七夕賞をドモナラズで制して以来、11年ぶりの重賞V。光氏の所有馬としては初制覇となる。鞍上の菅原明、父トゥザグローリーにとっても初タイトルが懸かる一戦。そして何より、耳に心地よい馬名の響きに魅了された“オダギラー”と呼ばれる熱心なファンが、軍団の復権を願っている。

 ≪父トゥザグローリーに種牡馬初タイトル贈る≫カラテの母レディーノパンチは小田切有一氏の所有で馬名登録されたが未出走のまま繁殖入り。その母レイサッシュはステイゴールドの半妹。一族からサッカーボーイ、ショウナンパンドラなど活躍馬を多数出している優良母系だ。また、父トゥザグローリーにとっては初年度産駒で、初の古馬オープン入りとなった“出世頭”。3歳時のスプリングS(16着)以来2度目の重賞挑戦で、父に種牡馬初タイトルを贈れるか注目だ。

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