【香港スプリント】カナロアの血が目覚めた!ダノンスマッシュ 史上初の香港親子制覇を達成

[ 2020年12月14日 05:30 ]

 香港国際競走が13日、シャティン競馬場で行われ、「香港スプリント」は3番人気ダノンスマッシュ(牡5=安田隆)がうれしいG1初勝利。同レース2連覇の父ロードカナロアに続く偉業達成で、日本馬史上初の香港同一G1父子制覇となった。また「香港カップ」はノームコア(牝5=萩原)が優勝。2着は昨年覇者のウインブライト(牡6=畠山)で、日本馬ワンツーとなった。

 “龍王”の子にふさわしい末脚だった。12、13年香港スプリント覇者のロードカナロアを父に持つダノンスマッシュ。父の引退レースだった13年、安田隆師は「次はカナロアの子で香港に来ることを約束します」と語っていた。7年後に果たされた約束。師は「カナロアの子で勝てて凄くうれしい。勝ったら“ドリームですね”と香港関係者に言われていたので、現実になって怖いくらいです」と興奮気味に語った。

 道中は中団外を追走。世界の名手・ムーアのリードでリズム良く3~4角をクリアする。直線は5、6頭の先行勢が内で横一線。それらを一気に抜き去り、ラストは迫る地元馬ジョリーバナーを半馬身しのいだ。ムーアは「出たなりで勝負しようと思っていたが、スタートがとても良く、道中は流れのままにいい感じで進めた。最後は本当によく戦ったと思います」と称賛した。

 例年、香港メディアが日本馬陣営にぶつける質問が「この馬はロードカナロアより強いのか?」。8年前に日本馬として初めて香港スプリントを制したカナロア。スプリント戦に絶対的な自信を持つ香港競馬のプライドを打ち砕いた。その父以来となる香港スプリントの日本馬3勝目。同一香港G1の親子制覇は史上初。安田隆師は「親子2代での制覇は本当に凄いこと。最高の気持ち、夢みたいです」と喜びを伝えた。

 早くから素質を見いだされ、ここまで重賞を6勝していたスマッシュ。アーモンドアイと同期のカナロア初年度産駒がようやくG1を制した。「この後はまだ決めていないが、来春は高松宮記念(3月28日、中京)に挑戦したい」と師。最高の勲章を手にし、親子の夢はこれからも続く。

 ◇ダノンスマッシュ 父ロードカナロア 母スピニングワイルドキャット(母の父ハードスパン)15年3月6日生まれ 牡5歳 栗東・安田隆厩舎所属 馬主・ダノックス 生産者・北海道新ひだか町のケイアイファーム 戦績22戦10勝(海外2戦1勝、重賞7勝目) 馬名の由来は冠名+打ち砕く。

 ▼13着タワーオブロンドン(藤沢和師)道中でいい感じになるかなと見ていたが、久々の競馬だったこともあり馬が諦めている感じでした。

 ◆香港売り上げ 3競走で30億5853万4000円。昨年(ヴァーズ含む4競走で30億5679万5500円)を上回った。内訳はスプリント4億4103万7700円、マイル11億1720万4900円、カップ15億29万1400円。

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2020年12月14日のニュース