【阪神JF】ソダシ 白毛馬初のG1制覇!無傷4連勝で競馬史「伝説」の新たな一ページ刻む

[ 2020年12月14日 05:30 ]

<阪神11R・阪神JF> ゴール前での大接戦を制し、史上初白毛馬によるG1制覇するソダシ(左)(撮影・平嶋 理子)
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 2歳女王決定戦「第72回阪神ジュベナイルフィリーズ」が13日、阪神競馬場で行われた。1番人気の白毛馬ソダシ(須貝)が鼻差の接戦を制し、デビュー4連勝で2年連続13頭目の無敗V。白毛馬によるG1制覇は日本初、世界でも例を見ない偉業となった。記録ずくめの今秋。競馬史に「白毛伝説」の新たな一ページが刻まれた。

 真っ白で、奇麗。メルヘンの世界から飛び出してきたような白毛馬ソダシは、可愛いだけじゃなかった。ゴール前はうら若き乙女同士とは思えない激しい叩き合い。粘るソダシ、内から脚を伸ばしたサトノレイナス。ほぼ並んでゴールしたが、わずか約4センチ、ソダシの白い鼻が前に出ていた。

 「外のメイケイを負かせば、と思ったら、今度は内からサトノが来て…。何とかしのいでくれ!と思ったけど、勝ったかどうかは分かりませんでした。最後は並んだらかわさせない根性を見せてくれましたね」

 鞍上の吉田隼人(36)は、4戦4勝で2歳女王となったパートナーの勝負根性を称えた。

 1979年5月に日本で初めて白毛馬ハクタイユーが誕生。細々と日本競馬史に記されてきた白毛馬がついに表舞台の主役となった。白毛馬を大繁栄させている中興の祖シラユキヒメの孫娘ソダシが白毛馬初のG1制覇。世界的にも白毛馬によるG1レース制覇の例は見当たらない。

 過去3戦は前に馬を置かないレース運びだったが、今回はあえて馬群の中へ。桜花賞、そして距離が延びるオークスを見据え、我慢を覚えさせる意図があった。“2歳女王”と“クラシックへの布石”。どちらも大切な二兎(にと)を追って二兎とも得た。ゆえに満足感もにじむ。

 「イメージ通りの競馬ができました。ゲート入りやゲート内での行儀に課題はありますが、もっと鍛えて、人馬の信頼関係も築いていきたいですね」

 18年10月から栗東トレセンに拠点を置き、今年は自己最多の83勝、重賞6勝を挙げる鞍上は15年有馬記念(ゴールドアクター)以来となる2つ目のG1タイトルをゲット。

 「1番人気だし、負けさせちゃいけないプレッシャーがありましたが、ソダシが助けてくれました。感謝です。こんな僕でもG1を勝たせてくれる本当に“いい馬”。またコンビを組めるように頑張ります」

 実は、吉田隼は白毛馬の騎手別で歴代最多の7勝を挙げる白毛マイスター。あまりにも目立つアイドルホースと、ちょっぴり控えめな“伸び盛り”の中堅ジョッキー。そんな凸凹コンビが、アーモンドアイが去った来年の競馬界の主役を突っ走る。

 ◇ソダシ 父クロフネ 母ブチコ(母の父キングカメハメハ)18年3月8日生まれ 牝2歳 栗東・須貝厩舎所属 馬主・金子真人HD 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績4戦4勝(重賞3勝) 総獲得賞金1億3437万3000円。馬名の由来はサンスクリット語で純粋、輝き。

 ≪現役馬の0.1%未満≫▼ソダシ一族の白毛 始祖はソダシの祖母シラユキヒメ。同馬は、青鹿毛の父サンデーサイレンスと鹿毛の母ウェイブウインドから、突然変異の白毛馬として生まれた。シラユキヒメは白毛に関わる「顕性白毛遺伝子」を持ち、産駒にその白毛遺伝子が伝わる確率は50%。顕性白毛遺伝子を持つ馬は全て白毛になる一方、白毛馬は突然変異を除いて白毛馬以外からは生まれない。JRAの現役白毛馬は8頭で、約8100頭いる現役馬の0・1%に満たない。

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