【凱旋門賞】フィエール万全!ルメール満足一心同体

[ 2019年10月3日 05:30 ]

ロングヒルで追い切ったブラストワンピース(前)とフィエールマン
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 仏G1凱旋門賞(10月6日、パリロンシャン)に出走する日本馬3頭が2日、最終追い切りを行った。英国ニューマーケットで調整するフィエールマンとブラストワンピースはポリトラックのロングヒルで併せ馬。ブラスト先行、フィエール追走の形で互いに譲らず併入した。仏シャンティイで調整中のキセキは芝コースで単走追い。ルメール、川田、スミヨンと、それぞれ本番でコンビを組む騎手が手綱を取り好感触に口元を緩めた。同レースは2日午前に出馬登録が締め切られ、12頭立てと決まった。

 全長1・5キロ。ニューマーケット名物の坂路・ロングヒルをフィエールマンが軽快に駆け上がった。ルメールが手綱を取り、バリーヒルで準備運動してから追い切りへ。先行したブラストワンピースを2馬身追走。残り4Fから加速して追い付くと、馬なりのまま最後はきっちり併入に持ち込んだ。「手応えが素晴らしく、楽に馬体を併せに行けた。追い切りの前後は凄くリラックス。札幌記念の時よりシェイプアップして、いいコンディションだと思う」。好感触にルメールも満足の表情を浮かべた。

 ルメールにとっても凱旋門賞制覇は悲願。母国フランスの最高峰G1は、過去に10回騎乗して06年プライドの2着が最高着順。日本から参戦したディープインパクト(3位入線→後に失格)には先着したが、勝ったレイルリンクには首差及ばず涙をのんだ。その後、拠点を日本に移し、昨年ついに武豊を超える年間最多勝(215勝)をマーク。日本の頂点を極めたパリジャンの次なる目標は、「第2の故郷」と公言する日本の馬で凱旋門賞を勝つこと。今年7月、札幌で行われた講演会では「日本の馬で凱旋門賞を勝ったら騎手を辞めてもいい」と語ったほどだ。「今年は難しい。エネイブルは強い」。正直な感想を口にした上で「他の馬とはイーブン。何とかしたい」と意気込む。

 日本では見ることのないG1馬同士の併せ馬。見守った手塚師は「2頭ともさすがという動き。周囲で調教している馬と比べても動きが全然違った」と興奮気味。内容についても「予定通り。5Fで69秒、ラスト1Fが12秒くらい。体力がついた印象だし、これまでで一番いい雰囲気だと思う」と太鼓判を押した。英国からフランスへ。日本馬にとっての新たなチャレンジは、確実に実を結びつつある。

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