菜七子、世界に勝つ!なでしこ気合十分「結果出したい」

[ 2019年6月28日 05:30 ]

藤田菜七子騎手
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 海外初勝利をつかみ取る!藤田菜七子(21=根本)が27日、北欧スウェーデンのブローパーク競馬場で30日(日本時間同日)に行われる「ウィメンジョッキーズワールドカップ」に出場するため日本を出発した。招待を受けた世界各国10人の女性騎手が5競走でポイントを競う新シリーズ。日本代表として挑む注目のカードに強い気持ちを持って挑む。

 離日前、菜七子は真っすぐに前を見据え、決意をしっかりと言葉にした。

 「海外の競馬に招待していただけたことは本当にありがたいし光栄。競馬をしっかり見て、しっかり乗って、いろんな勉強をしてきたい。出場するからには結果を出したい」

 スウェーデン遠征は17年以来2度目。当時はデビュー2年目だった。あれから短期間で急速に存在感を増した。JRA女性騎手通算最多勝利記録(現在63勝)を更新し続け、今年2月にはG1騎乗(フェブラリーS5着)も経験。伝統あるテレビ番組「徹子の部屋」にも呼ばれた。日本を代表する、なでしこ騎手へと成長したことは間違いない。久々の海外遠征にも「日本での競馬と同じ。“馬に乗る”ということ自体に変わりはない。特に難しさは感じません」と力強く語った。

 レース前日(29日)には現地で調教に騎乗し、競馬場の下見を行う予定。「前回スウェーデンに行った時(ヤーデット競馬場)と競馬場が違うので、ネットなどで情報は手に入れている。ブローパークは広い競馬場という印象。実際に乗って、早く特徴をつかんで、レースでは馬の能力を引き出したい」。すでにイメージを膨らませている。

 同大会にはジュライC(英G1)など通算785勝を挙げているヘイリー・ターナー(36=英国)ら、菜七子も含め10人の女性騎手が世界各国から集結する。

 「日本にはまだまだ少ないが、海外には活躍している女性騎手がたくさんいます。一緒に競馬ができる機会は貴重なので、彼女たちの技術を盗むことができれば…。そして結果も求めたい」

 ただの親睦イベントでは終わらせない。目で見て、聞いて、自分の血肉とする。菜七子の思いは強い。海外初勝利、そしてシリーズ優勝へ。“世界一の女性騎手”の金看板をつかみ、競馬史に名前を刻むか。

 ▽ウィメンジョッキーズワールドカップ スウェーデンで行われてきた「レディージョッキーズサラブレッドワールドチャンピオンシップ」を今年リニューアル。女性騎手の国際的な活躍の場を広げることが目的。世界各国10人の女性騎手が条件の異なる5競走に騎乗して、着順に応じたポイントを競う。出走馬はハンデキャッパーによりランク分けされ、各ランクの騎乗回数が平等になるよう割り当てられる。日本の「ワールドオールスタージョッキーズ」と同じ仕組み。

 ▽スウェーデンの競馬 初めて競馬が行われたのは1830年代といわれる。サラブレッドの平地競走はストックホルム近郊のブローパーク競馬場(芝、ダート)、デンマークに近いマルメー近郊のイエゲスロー競馬場(ダートのみ)の2カ所で開催される。基本は日、水曜の開催。月1日程度、金曜日も競馬が行われる。トロット(けいが)レースは30以上の競馬場で一年中行われており非常に人気がある。馬券は単勝、複勝、馬単、3連単(指定レースのみ)。他に指定の5競走の5重勝などもある。

 ▽ブローパーク競馬場 スウェーデン、ストックホルム市街地から北西に約40キロ。2016年に開場した欧州最新の競馬場。おむすび形の左回りコース。芝は1周2085メートル。内側に1周1915メートルのダートコースがある。

 【菜七子と海外】▼16年11月13日 UAEのアブダビ競馬場で行われたレディースワールドチャンピオンシップ(以下LWCS)第15戦にJRA代表として出場。エーエフアルヘイザール(当時牡6)に騎乗。15頭立て7着。

 ▼17年1月21日 マカオのタイパ競馬場で武豊とともに「マカオ国際男女混合ジョッキーズチャレンジ」に参加して9、10、4着。エキストラ騎乗も3鞍あって10、9、12着。

 ▼17年6月6日 スウェーデンのヤーデット競馬場で行われたLWCS第8戦にアリババデルソル(当時セン12)で挑戦。7頭立て3着。

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