【大井・東京ダービー】ヒカリオーソ 押し切ってV

[ 2019年6月6日 05:30 ]

先行策から東京ダービーを制したヒカリオーソ(撮影・村上 大輔)
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 南関東の世代の頂点を決める「第65回東京ダービー」(S1)が5日、大井競馬場で行われた。3番人気のヒカリオーソが早め先頭から押し切り優勝。山崎誠、岩本師ともに初のダービータイトルを手にした。また、2着ミューチャリーまでに「第21回ジャパンダートダービー」(G1、7月10日大井)への優先出走権が与えられた。

 これが最高の笑顔だ。白い歯がこぼれ、目尻は下がりっぱなし。ヒカリオーソとのコンビで「ダービージョッキー」の称号を初めて手に入れた山崎誠が表彰台で声を上げた。

 「むちゃくちゃうれしいです」

 ゴールした瞬間も左手を挙げて歓喜のガッツポーズを見せたが、興奮は冷めやらない。だが、レースでは冷静だった。「思い描いていた通りの競馬」と岩本師が振り返ったように鞍上の手綱さばきは完璧だった。

 好スタートから2番手を奪うと逃げたイグナシオドーロがスローに落としたペースにもきっちり折り合って追走。3、4コーナーの中間で自然と先頭に立っても焦りはなかった。追い出しは最後の最後まで我慢してウィンターフェルが馬体を併せてきた残り200メートル。ゴーサインを送ると一気に後続を突き放し、2馬身差をつけていた。

 単勝1・3倍の圧倒的人気を背負ったミューチャリーを破ったが、終わってみれば雲取賞でこの馬に勝っていた実績があった。前走の京浜盃で鼻出血を発症し調教試験明けというアクシデントも杞憂(きゆう)に終わった。「レースに乗るまでは正直半信半疑だったが、手応えも凄く、改めてポテンシャルの高さを感じるほどだった。陣営がよく仕上げてくれた」と山崎誠は愛馬を褒めあげた。

 調教師生活区切りの40年目で初のダービー奪取となった岩本師も感無量の表情。「僕も誠士(山崎)と同じでめちゃくちゃうれしいですよ。(次走に関しては)アクシデントがあった馬だから状態を見てから決めたい」と明言を避けた。だが、この強さならJRA勢との戦いに何も臆することはない。

 ◆ヒカリオーソ 父フリオーソ 母ヒカリヴィグラス(母の父サウスヴィグラス) 牡3歳 川崎・岩本洋厩舎 馬主・西森鶴氏 生産者・北海道新冠町のヒカル牧場 戦績10戦4勝 総獲得賞金7645万1000円。

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