【天皇賞・秋】秋の東京に満開の「サクラ」再び!

[ 2018年10月25日 05:30 ]

<天皇賞・秋>田辺を背に併せで追い切るサクラアンプルール(右)(撮影・村上 大輔)
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 【G1ドキュメント・美浦=24日】3世代ダービー馬対決こそ幻と消えたが、それでもG1馬7頭が集結。豪華メンバーの激突は得てして真っ向からのやり合いや、けん制があるものだ。こんな時こそギャンブルは紛れが生じ、思わぬ伏兵が台頭する。そう信じ込む小野はサクラアンプルールの最終追いの動きを見て激走の予兆を感じ取った。

 Wコースでベストインザスカイ(5歳500万)と併せ馬。僚馬を4馬身追走したが4コーナー手前で想定よりも前との距離が空いた。「最後だけ伸ばしていくイメージで乗っていたが、前の馬が速くて離れてしまった。届かないと思った」。鞍上田辺の不安をよそに直線を向いて促されると瞬時にギアチェンジ。栗毛の馬体が軽やかに弾み、スムーズに加速した。僚馬をゴール寸前で捉え、1馬身半先着(馬なりで5F68秒5〜1F12秒2)。「最後に届いたのは、それだけ具合がいい証拠。年齢(7歳)を重ねてガラッと変わることはないが、いい意味で安定している」と田辺は手応えを明かす。美浦で一身に注目を浴びるレイデオロの陰に隠れるが仕上がりは万全だ。

 管理する金成師は南スタンドで動きを見届けた。調教タイムを確認しながら「予定通り。先週しっかりやっているからね。いい感じに動けていた」と冷静な口ぶり。晩成型の愛馬からは精神面の変化を感じ取る。「落ち着きが出て、レースを心待ちにしているんだよ。楽しめる境地に達したのかな」と笑う。「細かいことを言ってもしようがない。純粋に相手が強いから自分らしい競馬をするしかない」。開業6年目に初の平地重賞(札幌記念)Vをプレゼントしてくれた愛馬に期待を込めた。

 天皇賞・秋は伯父サクラチトセオーが95年に優勝したゲンのいいレースでもある。7歳を迎えて心技体は充実一途。秋の東京にアッと驚く満開の「サクラ」が咲き誇るかもしれない。

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2018年10月25日のニュース