【天皇賞・秋】リチャード“王の余裕”3頭併せで遅れもラスト11秒9

[ 2018年10月25日 05:30 ]

<天皇賞・秋>CWコース3頭併せで追い切るスワーヴリチャード(手前)(撮影・平嶋 理子)
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 大阪杯の覇者・スワーヴリチャードはCWコースでM・デムーロを背に天皇賞・秋へ向けて3頭併せ。僚馬に遅れはしたが陣営は問題なしのジャッジ。春秋2000メートルG1制覇へ万全の態勢を整えた。一方、札幌記念を制して挑むサングレーザーは坂路で微調整。25日はコンビを組むモレイラと初顔合わせする。

 薄暗い中でもトモ(後肢)の膨らみは目を引いた。M・デムーロを背にCWコースでドンアルゴス(3歳1000万)を6馬身、アルテヴェルト(2歳未勝利)を3馬身追走したスワーヴリチャード。音を立てずに獲物に忍び寄る猛獣のように僚馬との差をジリジリと詰めた。直線を向く。大外から一瞬、リチャードの闘志が点火したように見えた。グッと接近したが鞍上の手は動かず、勝負はここまで。アルテヴェルトに首差遅れ、ドンアルゴスとは併入。空手でいう“寸止め”のような形だが、これは予定通りだ。

 「(庄野)先生と考えた。そんなにやりたくなかった。先週もしっかりやっているからね。馬なりでいい併せ馬になった」。デムーロは満足げだ。遅れたとはいえ6F82秒3〜11秒9なら、さすがの数字。1週前には6F79秒1の猛時計を叩き出した。9月13日に帰厩してから時計を積み上げた。庄野師は胸を張る。「前の2頭にペースをつくってもらった。折り合えたし、3〜4角が凄くダイナミックだった。しっかりやった1週前追いを今週につなげられた。追うごとに良くなっている」

 言わずと知れた大阪杯の覇者。そこから安田記念(3着)へと進んでアッと言わせたが、今回はさらなるチャレンジが待っている。中146日での出走。天皇賞・秋が2000メートルとなって以降、最も間隔を空けて盾を制したのは88年タマモクロスの中139日。ロングショットを決めるため、陣営は焦ることなく丹念に時計を重ねた。最終追いでの遅れも最後のスパイス。走りたい気持ちが当日、マックスになるように仕向けたのだ。

 「安田記念でもよく走ってくれた。東京マイルを使ったことが今回いい方向に向いてくれれば」(庄野師)。春秋2000メートルG1制覇へ。全ては予定通りに運んでいる。

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