【純情牧場巡り】ファインモーション 伏木田牧場で悠々自適…若々し過ぎる19歳

[ 2018年7月24日 14:11 ]

19歳とは思えない若々しさのファインモーション
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 ターフを去って14回目の夏を迎えたが、その若々しい体つきは現役馬かと見間違うほどだ。GI2勝の実績はもちろん、そのインパクトあふれる走りでファンに鮮烈な印象を残した名牝ファインモーションは、浦河町の伏木田牧場でのんびりと余生を過ごしている。一角に木が生い茂る、川沿いの広々とした放牧地が終の棲家。伏木田修さん(39)が優しい目を向ける。

 「夏場は5時に厩舎に戻して、9時半に放牧へ。ほとんどは放牧地で過ごしています。めちゃくちゃ食べるし、何より丈夫。うちに戻ってきてから、腹痛を起こしたことは1回もありませんね」

 現役時代は中距離を中心に活躍したが、デインヒル産駒らしいボリューム感のある体つきは短距離適性を訴える。「伊藤雄二先生の腕で距離をもたせていたけど、スピードは半端なかったし、スプリンターの体型ですよね」。老いた感じは全くなく、「今でも下のクラスのスプリント戦なら勝てるんじゃないですか」というセリフも決して冗談とは思えない。

 引退後、染色体の異常で子どもを生めないことが分かった。ファン、何より関係者にとっては残念だったが、それだけに若さを保てているとも言えるだろう。放牧地に放されているのは3頭。繁殖を引退して功労馬となったピッコロプレイヤーとは馬房で過ごす時間を除いて常に一緒。「大の仲良しですね。ファインにとって不満のない、楽しくないことがない環境だと思います。不安があるなら教えてほしいですよ」と笑ってから、こう続けた。

 「どうやったら年をとるんだろうな…と思います。どこも弱っていないし、本当に35年は生きると思いますよ」

 そんな気の早い願いも、決して絵空事と思えない。稀代の名牝は、これからものんびりと充実の日々を重ねていくはずだ。

 ◆ファインモーション(牝19)1999年1月27日生まれ。父デインヒル、母ココット。愛国産。半兄はGI6勝のピルサドスキー。現役時代は15戦8勝。2歳12月のデビューから無傷の6連勝で秋華賞とエリザベス女王杯を制し、JRA賞最優秀3歳牝馬に選ばれた。古馬になってからはGI勝ちこそなかったが、阪神牝馬Sと札幌記念を制した。総獲得賞金は4億9451万8000円。

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