JRA 馬術支援さらに強化!欧州にトレーニング拠点設け選手派遣

[ 2018年7月24日 05:30 ]

東京五輪馬術特集(上)

北原は欧州に拠点を移し腕を磨いている(日本馬術連盟提供)
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 馬術競技では5大会ぶりとなる職員の五輪出場を目標に挙げるJRAの西尾高弘参与(60)に話を聞いた。

 馬術の支援に力を入れるJRAでも、「カウントダウンは始まっている。今までの五輪も支援をしてきたが、今回は東京での開催。JRAとしてもモードを2、3段階上げている」と新たな強化策に乗り出している。

 東京五輪を目指す日本のトップ選手は海外を拠点に活動中。JRAは日本馬術連盟が取り組む日本チーム強化のため、昨年4月から支援を本格化。欧州に3カ所のトレーニング拠点を設置した。馬場はドイツ・カッセルマン厩舎、障害は同・アルヴィン・ショッケメーレ厩舎、総合はフランスのローラン・ブスケ厩舎。西尾参与は「単純に五輪に出場するだけでなく、3つある競技を押し上げていきたい」と、東京五輪以降の先も見据える。

 JRA職員の北原広之(46=馬場)、佐渡一毅(33=同)、戸本一真(35=総合)を欧州へ派遣。3人は馬術の本場でトップライダーから技術や心構えなどを学び、欧州各地の国際大会を転戦。00年シドニー布施勝氏以来、5大会ぶりとなるJRA職員の五輪馬術競技出場を目指している。また、馬術は人馬の息の合ったコンビネーションが求められる競技。乗り手の技術が上がれば、それに応える競技馬の能力も比例して上げなければならない。JRAは「いつもより2ランク上」の競技馬とパートナーを組ませることで、人馬一体のパフォーマンス向上にも努めている。

 3月からドイツを拠点にしている最年長の北原は「予想はしていたが、今は世界の壁に直面している」とトップとの実力差を痛感する。だが、気持ちは折れていない。「探究心とモチベーションを維持しながら克服していこうと思う。20年までには世界レベルの演技を愛馬とともに身につけ、披露できるように馬術人生の全てを懸けます」と並々ならぬ決意を口にした。14年10月からオランダで研さんを積む佐渡は、8月アジア競技大会(ジャカルタ・パレンバン)の日本代表に選出された。3人は欧州の地で着実にステップアップ。9月の世界選手権(米・トライオン)を当面の目標にする。

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2018年7月24日のニュース