【みやこS】ジンソク重賞初V!素質開花で次走G1制覇へ弾み

[ 2017年11月6日 05:30 ]

<みやこS>古川を背に逃げ切るテイエムジンソク(左)
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 正攻法でねじ伏せた。大外枠から五分のタイミングでゲートを飛び出したテイエムジンソクは道中4番手。前半は折り合いに専念して脚をためると3コーナーすぎから馬任せで一気に加速していく。アッという間に前をのみ込んで4コーナーで早くも先頭へ。そこから先は独り舞台。食い下がるルールソヴァールとの差を2馬身半に広げ、悠々とゴールを駆け抜けた。引き揚げてきた古川は報道陣に囲まれて「自信を持って乗りました」と第一声。冷静に勝利を振り返った。

 「スタートが速いので(大外枠は)特に心配していなかったです。ハミを取って楽に上がっていけました。スピードの持続力があって、あの感じで行って押し切ってくれるし、いい馬に乗せてもらっています」

 一昨年の春にデビューして以降、条件クラスで経験を積みながら地力を強化。今年5歳になり、素質が開花した。春に休み明けで準オープンを勝ち上がると夏は大沼S、マリーンSとオープン特別を連勝。続く重賞エルムS(重馬場)は千七ダートの日本レコード決着で惜しくもロンドンタウンの2着に敗れたものの力は示した。その後は放牧を挟み、きっちり仕上げて初タイトル奪取につなげた。14年中山牝馬S(フーラブライド)以来の重賞制覇を飾った木原師は周囲のトレーナーから握手攻めに遭って笑顔で頭を下げっ放し。謙虚な人柄が表れた。

 「毎回が試金石。内を見ながら競馬ができたし、外枠で良かったかな。あの(ヤンチャな)気性だから、もう少し落ち着いてくれたらいいんだけどね」

 重賞ウイナーの仲間入りを果たして次走は優先出走権をつかんだチャンピオンズCへ。「年内はあと1戦。そこで締めくくりたい」とトレーナー。強豪ひしめく中距離ダート路線に誕生した新星が一気に頂点を狙っていく。

 ◆テイエムジンソク 父クロフネ 母マイディスカバリー(母の父フォーティナイナー)牡5歳 栗東・木原厩舎所属 馬主・竹園正繼氏 生産者・北海道日高町日高テイエム牧場株式会社 戦績23戦8勝 総獲得賞金2億879万4000円。

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2017年11月6日のニュース