【安田記念】超ニックス!スティール&アラジンが王者に挑む

[ 2016年6月3日 05:30 ]

 【G1ドキュメント=2日】頭数こそ落ち着いたものの、安田記念は世界のホースマンも注目する豪華キャストとなった。ただ、競馬にタラレバは禁物と分かりつつ、岡崎にはこの舞台、このメンバーに交じって走らせたかった馬がいる。昨年9月、右前脚の屈腱炎で引退した3年前のダービー馬キズナだ。なぜマイル?なぜ安田記念?そんな声が聞かれそうだが、誰よりもキズナを知る担当の田重田厩務員は「1600メートルから2000メートルぐらいが一番力を出せたとは思うよ」と同調した。

 「若いうちはどうしてもクラシックを使いたいし、ポテンシャルでこなしてくれたけど、マイルは合ったんじゃないかな。ゆったりとした体形の馬じゃなかったし、年を取ってなおさら、そう見せたよね」

 年を取ってマイラー寄りの体形になった――。今年の出走馬にイメージのダブる馬がいる。キズナと同じく父ディープインパクト×母の父ストームキャットの“超ニックス”、リアルスティールだ。「ここに来てにわかに筋肉質になったのでは?」。そんな問いに、担当の柿崎助手は「そうなんですよ。ドバイから帰ってきて、トモの辺りの筋肉量が増えました。まだ成長する余地はあるけど、去年に比べてだいぶ良くなってます」と首を縦に振った。

 これなら初のマイルにも対応できる。やはり打倒モーリスの1番手はこの馬か?いや、そこに待ったをかけたのはもう1頭の“超ニックス”サトノアラジンだ。山元助手のセリフが力強い。「肉の付き方という意味では、アラジンは逆の方向かもしれません。年を取って無駄な肉がそぎ落とされて筋肉に変わりました。ディープ産駒はスカッと見せている方がいいのかなと。今までで一番と言えるぐらい、具合はいいですよ」

 “4分の3同血”でありながら、見た目に逆方向の進化を遂げた2頭だが、いずれも出来の良さには太鼓判を押せる。そこにモーリスを交えた3頭がどんなレースを見せるのか!?先週のダービーに勝るとも劣らない名勝負になると、岡崎は胸を高鳴らせている。

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2016年6月3日のニュース