【スプリングS】ミュゼスルタン 陣営強気!骨折明けも「心配ない」

[ 2015年3月18日 05:30 ]

左前脚の骨折が順調に回復したミュゼスルタン

 クラシックへ無敗街道をばく進だ。今週は東西で皐月賞トライアルが実施される。中山の「スプリングS」では、昨夏の新潟2歳S優勝後に骨折で休養していたミュゼスルタンが実戦復帰。3F33秒台の末脚で新馬→重賞を連勝した逸材が強豪関西勢を迎え撃つ。

【スプリングS】

 圧巻のレコードVから約7カ月。ミュゼスルタンがターフに戻ってくる。昨夏の新潟2歳Sは中団待機から3F33秒4の剛脚を繰り出しての差し切りV。前年の優勝馬ハープスターを1秒1上回る1分33秒4のコースレコードを叩き出し、2戦無敗のまま世代No・1を決める朝日杯FSの有力候補にのし上がった。

 だが、好事魔多し。レース後に左前脚の骨折が判明し秋は全休となった。人間で言えば膝にあたる橈骨(とうこつ)遠位端の骨折は幸いにも軽度。米粒大だったという骨片の除去手術も無事に成功した。大江原師は当時、「大丈夫。春には間に合うから」と決して落胆の表情を見せなかった。

 患部は順調に回復。師の思惑通り、昨年末に帰厩した。「さすがに体が緩んでいたから、最初はじんわりとスタートして徐々にピッチを上げていった」と振り返るように、キャンター中心の調整で下地をつくり、2月に入ってから本格的な調教を再開。毎週のように併せ馬を消化している。「ずっと乗り込んでいるから、休み明けでも一度使ったような雰囲気。2、3週前に一度疲れのピークを持ってきて、そこからまたグンと上昇している感じ」と、ここまでは思い描いた通りの調整過程を歩んでいる。

 休み明け、初コースなど課題もあるが「右回りは初めてだが調教はいつも右回りだし心配していない。あの末脚だから直線の坂も大丈夫」と師は強気。普段の調教を担当する片山助手も「気が強いから休み明けでも走ってしまうと思う。中途半端な仕上げだと反動が怖いから逆にしっかり仕上げた」と話す。前哨戦だが陣営に叩き台の気持ちは毛頭ない。

 「見た目はそんなに変わっていないが、走りが大きくなった」。愛馬を見つめる指揮官の表情は、どこまでも穏やか。無敗街道の先に広がる大きな夢へ、スルタンが新たなスタートを切る。

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2015年3月18日のニュース