25歳デビュー張田昂「家族」に誓う1勝

[ 2013年6月21日 06:00 ]

張田昂騎手

 【地方競馬です!!】今開催の船橋で遅咲きの新人がデビューした。地方通算2467勝の名手・張田京(たかし)騎手を父に持つ張田昂(あきら)騎手(船橋・矢野)だ。25歳という遅いデビュー。子供の頃から馬に乗ることが好きで騎手を志したが、道は障害だらけだった。

 中学卒業後に入学したJRAの騎手学校を卒業まであと半年のところで退学。その後ケイアイファームで1年学び、船橋で厩務員をしながら地方競馬の騎手を目指したが、一発試験の筆記で落ち続け一度は諦めた。「調教師補佐から調教師を目指そう」。そんなふうに逃げ道をつくりかけたのを新しい「家族」、今年2月に生まれた長男の捺馬(なつめ)君が引き止めてくれた。「父として騎手である姿を見せたい」。一念発起して、ようやくデビューにこぎ着けた。17日に行われた紹介式では「ここまでこられたのは…」と話したところで思わず言葉を詰まらせた。涙が抑えきれずにこぼれる。一呼吸置き「下積みが長くて。支えてくれた家族や周りの人に感謝したい」と言葉を絞り出した。

 20日まで16戦して未勝利。「自分のイメージとギャップがある。まだ“普通”に乗ることができない。VTRを見ると全部が少しずつ足りない」。騎手になって終わりではない。「騎手になってまた新たな目標ができた」。ここがスタート。きょう6、10、11Rでまずは1勝を目指す。 (秋田 麻由子)

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2013年6月21日のニュース