【ユニコーンS】ベストウォーリア重賞初V!戸崎は移籍後初タイトル

[ 2013年6月17日 06:00 ]

内から抜け出したベストウォーリア(右端)がユニコーンSを制した。2着は大外から差したサウンドリアーナ(左端)

 16日、東京競馬場で行われた「第18回ユニコーンS」は3番人気のベストウォーリアが直線で鋭く伸びて快勝。手綱を取った戸崎は中央移籍後、重賞挑戦24戦目にして待望の初勝利を飾った。

【レース結果】

 勝者の顔に浮かんだのは会心の笑みではなく安どの色だった。ベストウォーリアを重賞初制覇に導き、戸崎は中央移籍後重賞24戦目で初勝利。「重賞を勝てたのはうれしいけど、遅かったと思っている。それだけの質の馬に乗せてもらっているので」。直線でインを抜けた際に内に斜行(戒告)したこともあり、ゴールに飛び込むと振り返って後続を気にかけた。

 3月に南関東の大井から中央に移籍。順調に勝ち星を積み重ねたが、重賞では結果が出なかった。それでもその理由はつかんでいた。「クラスが上になればなるほどスピードや反応がいいので、抑えたり仕掛けたりするタイミングなどが難しい」。レースを重ねてものにしていくしかない感覚。「騎手にはそれぞれの感覚があると思うので、自分で解決するしかない」と他人にアドバイスを求めるのではなく、レースのたびに何度もビデオを見直した。

 その成果が出てきたのだろう。ベストウォーリアとは初コンビ。「最初に脚を使うと掛かると聞いたので、折り合いだけ気をつけた。道中うまく我慢してくれた」と序盤はせかさず中団で馬のリズムを重視。しっかり脚がたまって手応え十分に直線を向くと、内から鮮やかに馬群を抜けた。

 ベストウォーリアの成長も見逃せない。最終追い切りでは宝塚記念に出走するジェンティルドンナと併せ馬。遅れはしたが、3冠牝馬相手の稽古が生きた。函館にいた石坂師に代わって、古川助手は「鍛えられましたかね。いずれは大きいところをと思っていた馬だけど、案外早かったなという感じ。来週の弾みになってくれれば」と喜んだ。

 今後は未定だが、戸崎は「競馬が上手だし、もっといいパフォーマンスを見せてくれると思う」と将来性に太鼓判を押した。加えて自身については「初重賞がダートだったというのは面白いかな。でも中央に移籍してきたからには芝の重賞をというのはあるし、次は芝で勝ちたい」。人馬ともども、今後のさらなる飛躍が楽しみになってきた。

 ◆ベストウォーリア 父マジェスティックウォーリア 母フラテーシャスミス(母の父ミスターグリーリー)牡3歳 栗東・石坂厩舎所属 馬主・馬場幸夫氏 生産者・米国バックポンドファーム 戦績6戦3勝 総獲得賞金5909万2000円。

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