【岸和田・高松宮記念杯】成田“絆”差しV!福島勢ワンツースリー

[ 2013年6月17日 06:00 ]

1着でゴールする成田(左から2人目)

 G1「第64回高松宮記念杯競輪」の決勝戦が16日、岸和田競輪場で行われ、成田和也(34=福島・88期)が優勝。優勝賞金2590万(副賞含む)と「グランプリ2013」(12月30日・立川競輪場)の出場権利を獲得した。成田のG1優勝(4日制以上)は12年3月の熊本ダービー以来、2回目。2着は逃げ粘った新田祐大、3着は成田追走の伏見俊昭で福島トリオの上位独占となった。

 福島3人の“絆”を見せつけた。勢いに乗る新田が、成田と伏見を連れて打鐘から先行態勢。藤木が巻き返してくると、成田がきっちり仕事をした。「しっかり当たって(藤木を)止めることができたよ」(成田)。まさに一枚岩の結束力だった。

 成田は15日の準決勝で新田の初速にやや遅れた。「(決勝は)厳しいレースになる。とにかく、新田君に最終4コーナーまで食らいついていく」。腹は決まっていた。最終バックでは新田の加速の凄さに、こう確信した。「これなら誰も(まくって)来ない」。直線、追い込みの第一人者らしい差し脚を披露した。ゴール直後、力強くガッツポーズ。「前の新田君と後ろの伏見さんのおかげ。本当にうれしい」。ウイニングランでは新田、伏見と喜びを分かち合った。

 昨年3月の熊本ダービーでG1初優勝(4日制以上)。その後も追い込みの技術を磨いた。井上茂徳氏(本紙評論家)のビデオを見て、課題修正に役立てた。「自分があるのはラインのおかげ。番手でも3番手でも自分の仕事をきっちりとしたい」。先行選手の層が厚い北日本。成田は努力を重ね、信頼される追い込み選手の地位を築き上げた。

 2度目のG1優勝で3年連続のグランプリ出場も決めた。「年末まで多くのレースがあるし、一戦一戦、頑張るだけ。今回は展開に恵まれて勝てたが、今後は厳しい展開の中でも勝たなければ」。自力タイプ全盛の競輪界にあって、成田の存在感がきらりと光った。

 ◆成田 和也(なりた・かずや)1979年(昭54)2月25日、福島県須賀川市生まれの34歳。中央大卒。03年7月プロデビュー。通算667戦148勝。通算取得賞金は5億1635万円。主な優勝は第6回サマーナイトF(10年)、SSシリーズ風光る(11年)、第65回日本選手権(12年)、第64回高松宮記念杯(13年)。1メートル72、73キロ。血液型O。

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