【京都大賞典】メイショウカンパク待望初重賞で池添800勝

[ 2012年10月9日 06:00 ]

京都大賞典を差し切って快勝したメイショウカンパク(中央)

 「第47回京都大賞典」が8日、京都競馬場で行われた。メイショウカンパクが大外強襲で待望の重賞初タイトルを手にした。休養明けのオウケンブルースリが底力を見せて2着に入った。

【レース結果】

 池添が初騎乗のメイショウカンパクで末脚一閃(せん)。後方待機から大外一気に突き抜け、パートナーを重賞初制覇へ導いた。

 「完璧でした。序盤は後方で無理せず、この馬のリズムで運ぼうと考えていました。最後はいい脚を使ってくれましたね」

 直線勝負に懸けた。スタートは五分に出たが、無理せずに下げて道中は後ろから3頭目。そして4角手前からスパート開始だ。「フミノが目の前にいたから、これをマークしていこうと思いました」。理想的な展開に思わずほくそ笑んだ。直線は迷わず大外へ。一完歩ごとに差を詰めると、最後は併せ馬の形になったオウケンブルースリを首差退けて先頭でゴール。デビューから33戦目、叩き上げ5歳に待望の重賞タイトルをプレゼントした。

 「調教に乗って、乗りやすい馬だと感じていたんです。途中で動くと集中力を切らすと聞いていたので、そこだけ気を付けていました。強い勝ち方だったし、今後が楽しみになりましたね」

 池添は6日のデイリー杯2歳Sに続く重賞V。同時に98年のデビューから積み重ねた白星が800に到達した。特筆されるのは大一番での勝負強さで、そのうち19勝がG1だ。スイープトウショウやデュランダル、オルフェーヴル…。数々の癖馬を乗りこなしてきたことに、数字以上の価値がある。根底にあるのは“人馬一体”の意識。調教にまたがり、馬、そして関係者との信頼関係を築くことが、結果へつながっている。

 「800勝は自分一人でできる記録じゃありませんからね。僕に携わった関係者、そしてファンの皆さんのおかげだと思います」

 池添は謙遜して、グッと表情を引き締める。そして視線を先に向けた。

 「来週からG1が始まりますし、3冠が懸かっている馬もいますが、自分もチャンスがあると思っています。ぜひ競馬場へ来て、応援してください」

 その探求心は尽きることがない。この秋もその手綱さばきで、大いにファンを魅了するはずだ。

 ◆メイショウカンパク 父グラスワンダー 母ダンシングハピネス(母の父ダンスインザダーク)牡5歳 栗東・荒川厩舎所属 馬主・松本好雄氏 生産者・北海道浦河町三嶋牧場 戦績33戦6勝 総獲得賞金1億8263万4000円。

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