【スプリンターズS】エピセ“先輩”から愛される女を継ぐ

[ 2012年9月26日 06:00 ]

クラッシック路線からスプリントへ転向し開花したエピセアローム

 【G1ドキュメント=25日】あの日から早くも5年の歳月が流れた。07年9月30日の中山競馬場、第41回スプリンターズSを制したのは3歳牝馬アストンマーチャン。ひと目で分かる、究極のピッチ走法が印象的だった。そして今年、石坂厩舎から5年ぶりに秋のスプリント王決定戦へ参戦するのが、同じく3歳牝馬のエピセアローム。

 担当の桑村助手は攻め専(担当馬を持たず調教を専門に行う調教助手)だった当時、アストンマーチャンにも騎乗した。栗東で岡崎が当時のことを聞くと、ふと笑みが浮かんだ。「本当にかわいくていい馬やった。厩舎のみんなも大好きでね。エピが活躍して、マーチャンの名前が新聞に出てくることはうれしいね」

 スプリント界の頂点へと駆け上がったマーチャンだったが、翌年3月にX大腸炎を発症。約50日間の闘病生活の末、4月21日に急性心不全で死んだ。その悲しみは今でも心に残る。

 そして、話題はエピセアロームへ。「マーチャンと比べて…」という質問に対して「彼女は回転の速いピッチ走法だった。こちらは大跳びで回転が速い。タイプが違って、比較はできないよ」。その上で「どちらも路線を切り替えて正解だったということ」と語った。そう。この2頭には、春で牝馬の王道路線に見切りを付け、スプリント路線に転じたという共通点があるのだ。「調子はずっといい。偉大な先輩と同じ結果を出してくれたらいいね」。4日後に迫った大一番。先頭を走り続けたアストンマーチャンの姿を追って、エピセアロームが頂点を目指す。

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2012年9月26日のニュース