ディープ娘、日仏“ダブル2冠”へ自信満々!

[ 2012年6月15日 06:00 ]

仏2冠を狙うビューティーパーラー

 4戦無敗でフランス1000ギニー(G1=日本の桜花賞に相当)を制したディープインパクト産駒ビューティーパーラー(ルルーシュ)が17日(日本時間同日深夜)、仏版オークスのディアヌ賞(シャンティー芝2100メートル)に挑む。調整は万全で、陣営は2冠獲りへ自信を隠さない。

 フランス1000ギニーを快勝し、4戦無敗となったビューティーパーラー。フランス国内では凱旋門賞でも有力との声が聞こえ始めた。注目の5戦目。英G1コロネーションSへの登録も行ったが、陣営はクラシック2冠を目指す道を選択。ルルーシュ師は「将来性のある馬だから、3歳のこの時期に無理はさせたくなかった。スミヨンは“この馬なら仏ダービーと両方獲れる”と話していたけどね(笑い)。牡馬との対戦や海外遠征は秋になってからでも遅くはない。シャンティーなら厩舎からの輸送も10分程度で済む」と説明した。

 11日にエーグル調教場の芝コースで最終追い切りを消化。ギャロスペシャルと呼ばれる芝1800メートルの3頭併せを行った。最後方を追走し、残り300メートル付近から追い出されると軽快なフットワークで首差先着。レース6日前に追い切ることは日本では考えにくいが、調教師生活34年目を迎えた凱旋門賞トレーナー(96年エリシオでV)がたどり着いた必勝パターンだ。追い切り後は連日ダートコースで調整を続け、万全の態勢を整えつつある。

 「ここまでは青写真通りに来ている。追い切りではムチを使わなかったが素晴らしい切れ味を見せてくれた。馬体も絞れてきたし確実に前走以上の状態」(同師)。レースでは圧倒的な人気が予想されるが「4戦無敗の実績から当然のことだし、それだけの価値がある馬。今回はマークも厳しくなると思うが、はね返してくれると信じているよ」と涼しい顔で語った。日本ではジェンティルドンナが桜花賞、オークスを制覇。日仏でディープ産駒がダブル2冠なるか。(パリ・沢田康文通信員)

 ≪兄もディープ産駒≫ビューティーパーラーはフランスの有力オーナーブリーダー(馬主兼生産者)、ヴィルデンシュタイン家が母バステッドを日本に送り込み、2年連続でディープインパクトを種付けさせて誕生した。日本生まれの兄バロッチは仏G3プランスドランジュ賞2着などキャリアを積み、今春米移籍。5月の移籍初戦は条件戦2着だった。

 ◆仏牝馬2冠 仏1000ギニーとディアヌ賞が仏牝馬の2冠とされ、昨年はゴールデンライラック(ファーブル)が5戦無敗で無敗2冠を達成した。ディアヌ賞は長くエルメスがスポンサーを務めてきたが、昨年から高級時計メーカーのロンジンにバトンタッチ。レース当日、最もエレガントな淑女を表彰するなど、華やかな雰囲気を演出する。

 ◆仏1000ギニーVTR 単勝1・7倍の圧倒的1番人気に推されたビューティーパーラー。中団6番手で折り合い、直線へ。残り300メートルで先頭に立つと、馬群から追い上げたアップを1馬身差から差を詰めさせず、余裕十分に快勝した。

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2012年6月15日のニュース