【宝塚記念1週前追い】オルフェ復活へ!坂路最速!

[ 2012年6月15日 06:00 ]

<宝塚記念1週前追い>軽快に坂路を駆け上がったオルフェーヴル

 宝塚記念(24日、阪神)の1週前追いが14日、栗東、美浦両トレセンで行われた。天皇賞・春11着からの復権を期す4冠馬オルフェーヴル(牡4=池江)は、池添謙一騎手(32)を背に坂路で3馬身先着。ラスト1Fはこの日の坂路最速、12秒1をマークした。先週まで出否について明言しなかった池江泰寿師(43)も出走へ前向きな姿勢を示した。

 報道陣も緊張しながら見つめた1週前追い切り。池添はエアラフォン(5歳オープン)の1馬身後方からオルフェーヴルを始動させた。慌てず、じっくりと追いかけ、ラスト200メートルの手前でゴーサイン。4冠馬は俊敏に反応した。しっかりとかき込む、迫力に満ちたフットワークで僚馬を突き放し、圧巻の3馬身先着。4F51秒6。1Fの12秒1は、この日に栗東坂路で追い切った82頭中、最速。さすがの動きを見せつけた。池添は「あれだけの馬だから時計は出ますね」と手応えを語りつつ「動きや気配で気になるところはなかった」と納得の表情を浮かべた。

 ただ、前走(天皇賞・春11着)前も動きは素晴らしく、時計(坂路4F52秒4)も速かったのだ。追い切りだけで判断がつかないのが悩ましい。池江師は「動きや気配を見れば菊花賞や有馬記念(共に1着)の時と変わらない」と語る。その上で「調教の上がり運動を見るとトモ(後肢)の踏み込みが、いい頃に比べるとまだ満足できない」と分析。クールダウンでのわずかな動きの違いが気になる様子だった。それでも「天皇賞時に比べればいいね」と復調は感じ取っている。

 中間は栗東近郊のノーザンファームしがらきへ放牧。気持ちにゆとりを与え、先月31日に帰厩した。出否について明言してこなかった指揮官は「先週はどちらからと言えば回避の気持ちが強かった」と明かした。だが、この日の動きを見て、胸に自信が宿った様子。「今のところ出走へと気持ちは傾いている」と前向きに語った。正式なゴーサインこそ見送ったが、陣営には確かな感触があった。

 投票1位。7万2253票を投じたファンの思いに応えたい。陣営の懸命の努力は4冠馬にきっと伝わるはずだ。 

 ◆オルフェ今春の苦闘
 ▼3月18日 4歳初戦の阪神大賞典。スタート直後から折り合いを欠き2角過ぎで先頭に。2周目3角手前で突然外ラチ沿いへ逸走。4角で馬群に追いつき2着まで盛り返したが、平地調教再審査を課せられた。
 ▼4月11日 池添が騎乗し再審査。一発合格。
 ▼25日 天皇賞・春追い切り。4F52秒4で1馬身先着。
 ▼26日 枠順発表で試練の大外18番枠。
 ▼29日 天皇賞・春。単勝1・3倍に支持されたが後方のまま見せ場なく11着惨敗。
 ▼5月3日 凱旋門賞に1次登録を済ませた上で「次走は宝塚記念」と池江師が発表。馬は滋賀・ノーザンファームしがらきに放牧。
 ▼31日 栗東帰厩。
 ▼6月7日 宝塚記念ファン投票で1位選出。

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