【KEIRINグランプリ】深谷“スポニチロゴ”で頂点へ

[ 2011年12月30日 06:00 ]

右胸に「スポニチ」ロゴマークをつけ、頂点に挑む深谷

 深谷が史上最速で競輪日本一へ。今年の競輪No・1を決める東日本大震災被災地支援「KEIRINグランプリ2011」(優勝賞金1億円)が30日、神奈川・平塚競輪場で行われる。注目は史上最年少Vに挑む深谷知広(21)。ラインを形成する浅井康太(27)とともに27日から1年間“スポニチ”のロゴマークを右肩につけて頂点に挑む。

 G1高松宮記念杯が行われた今年6月の前橋ドームで深谷が競輪の大記録を塗り替えた。デビューから684日目のG1優勝。吉岡稔真氏(スポニチ本紙評論家)の719日目を更新する快挙だった。

 競輪はタイムレースではない。風向き、対戦相手の戦法、調子、ギア倍数(自転車の前ギアの歯車の数を後ギアの歯車の数で割った数字)などを考慮して勝つための作戦を練る。今年のグランプリメンバーの平均年齢は32・5歳。若さとスピードだけでは通用しない。

 浅いキャリアで勝つには吉岡氏や深谷のような圧倒的な強さが必要だ。90年にデビューした吉岡氏は弾むように走っていたが、深谷の走りも全身がバネのように弾んで見える。吉岡氏が「深谷君もスピードバンクの前橋ドームでG1初優勝、そして初出場のグランプリが平塚というのも自分と同じ流れですね」と語るように21歳でG1優勝(92年=前橋)した年にグランプリ初出場Vという流れも重なって見える。

 「自転車が好きで子供の頃からマウンテンバイクに乗っていた」。天性の素質はまじめな性格が手伝い開花した。競輪学校時代に深谷を指導した滝沢正光・日本競輪学校校長は「(深谷は)練習に向けての身支度が凄く早かった。1分1秒でも早く練習しようというやる気がいつも伝わってきた」と深谷のひたむきさを振り返る。

 12月4日に小倉競輪祭終了後は「競輪学校で10日間(10~19日)浅井さんや山口(幸二)さんらと合宿して練習した」。“スポニチ”のロゴマークをつけてラインを組む浅井は「合宿は深谷君に誘われたんですよ」と前向きな姿勢を絶賛する。

 27日に平塚競輪場入りしてからは「いつも通り普通に過ごした。グランプリだからといって緊張もない」と自然体で過ごした。深谷は常々「僕はしっかり準備して一戦一戦頑張るだけです」と語るが、まさに次のレースに集中するだけなのだ。

 「自分の持ち味を出して力を出し切れるレースができるように頑張る」。最年少(21歳)、最速(デビュー2年5カ月)の記録付きのグランプリ初優勝となり、“深谷時代”の幕開けとなる。

 ◆深谷知広メモ
 ☆生まれ 1990年(平2)1月3日、愛知県安城市生まれ。同年4月、競輪界では吉岡稔真氏(本紙評論家)が小倉競輪場でデビュー。同氏は2年後の92年3月、前橋ダービーを当時デビュー最速で制し“F1先行”ブームを巻き起こした。

 ☆少年時代 父・兼市さんが競輪好きだったこともあり一緒にテレビで観戦。05年、自転車部がある私立桜丘高校(愛知)へ進学。

 ☆高校時代 07年、国体の自転車競技スプリントで優勝。07年8月には1キロタイムトライアルでジュニア日本新記録(1分05秒238)を樹立。08年アジアジュニア選手権ではスプリント・ケイリン・チームスプリントの短距離3冠を達成。

 ☆恩師の評価 「ずんぐりむっくりした生徒だった」と第一印象を話すのは指導した自転車部の林泰弘顧問。「根性丸出しのタイプではないが“記録は全て塗り替えたい”と思っていたんじゃないかな。研究熱心な自転車小僧だった」と振り返る。

 ☆競輪学校時代 08年、日本競輪学校(静岡・伊豆市)に第96回生として入校。脚力をつけるため逃げに徹し、在校成績2位、卒業記念レースは決勝5着も教官の評価は断トツだった。

 ☆選手デビュー 09年7月22日、地元の豊橋競輪場でプロデビュー。デビュー戦は2着に10車身差以上をつけて逃げ切り。以降、無傷の9連勝(3場所連続完全V)でチャレンジレース(A級3班戦)を卒業。デビュー18日での卒業は08年の現行制度導入後、最速。その後、連勝を18に伸ばし、史上最速(56日)でS級特進。デビュー113日目にS級初勝利を挙げ、83年4月にS級が創設されて以降、史上最速記録を更新。連勝は20まで伸びた。

 ▽KEIRINグランプリ 競馬の有馬記念と同様に一年を締めくくる競輪界最大のレースとして85年にスタート。91年から12月30日に実施。出場9選手の選抜方法は年に6回行われる4日制以上のG1競輪の優勝者を優先、残る枠は今年の取得賞金上位者が選出される。G1は4~6日間の勝ち上がり方式を採用しているが、グランプリは一発勝負。04年から優勝賞金は1億円。これはボートレースの賞金王決定戦と並び個人で獲得できる公営競技の最高額。

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