【ナショナルTC】「被災地代表」渡辺、まくり制覇

[ 2011年12月30日 06:00 ]

表彰台で賞金ボードを掲げる渡辺一成

 29日に行われた「ナショナルチームカップ」は渡辺一成(28=福島・88期)が優勝、賞金400万円を獲得した。

 今年創設された単発レース「ナショナルチームカップ」(F2)は、渡辺一成が1センターからまくって快勝。優勝賞金400万円を獲得した。「スポーツKEIRIN」の魅力が凝縮されたスピードバトルは、残り2周からレースが動いた。前受けした北津留が突っ張り先行。上昇した坂本が後退し北日本勢は道中で空中分解となったが「流れだけは見えていた」渡辺は冷静沈着だった。7番手から自力に転じて踏み込むと、今シリーズ1番時計となる上がり11秒0の出色な加速力で前団を一気にのみ込んだ。

 3月11日の東日本大震災で福島・双葉町にある実家が倒壊。「今年は大変なことがあったが、被災地代表として頑張った」と故郷の復興を強く願っている。来年7月・ロンドン五輪自転車競技での活躍が期待される日本のエースは「被災地にメダルを持って帰れるように頑張ります」と約束した。

 ◆渡辺 一成(わたなべ・かずなり)1983年(昭58)8月12日、福島県双葉町生まれの28歳。県立小高工高卒。03年7月プロデビュー。通算成績は521戦149勝、2着93回、3着51回。通算取得賞金は2億708万円。主な優勝は函館記念(10年)、伊東記念(11年)。1メートル76、81キロ。血液型A。

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2011年12月30日のニュース