【有馬記念】デイヴィスに武豊「バケモンかも」

[ 2011年12月22日 06:00 ]

<有馬記念>坂路、レッドデイヴィスは武豊騎手に追い切られる

 「第56回有馬記念」の関西馬全12頭が21日、栗東トレセンで追い切りを行った。武豊と新コンビを組むレッドデイヴィスは坂路で好タイムをマーク。背中の感触を確かめた鞍上も確かな手応えを感じた様子で、不気味なムードが漂ってきた。22日に出走馬、枠順が確定、23日に金曜発売される。

 「ひょっとしたらバケモンかもしれん」

 武豊は真顔で新パートナーのレッドデイヴィスをこう評した。

 牡馬でもなければ、牝馬でもない。去勢手術を受けたセン馬だ。セン馬のJRA・G1馬は02年マイルCSのトウカイポイント以来なく、それだけでも十分に異色。「今年はオネエ・ブームやったからね。意地見せるよ」と武豊はジョークで笑いを誘ったが、一発ムードは十分だ。

 午前7時の坂路。4F50秒7の猛烈タイムをはじき出した。併せ馬のパートナー(3歳500万ノーティカルスター)を5馬身も後方に置き去りにした。「52秒くらいの感覚やったのに50秒7と聞いてびっくり。そんなにやってないのにね」と目を丸くした。前走の鳴尾記念でコンビを組んでいたデムーロ(ヴィクトワールピサ騎乗)から「距離?ノー・プロブレム。乗りやすい。イージー、イージー」と聞くと武豊は、ウンウンと笑ってうなずいた。

 このメンバーに入ればデイヴィスの存在は明らかに脇役。いくら今年1月のシンザン記念で倒した相手がのちの3冠馬オルフェーヴルだといっても、当時と今では比べものにならない。しかし重賞は4戦3勝。唯一10着に敗退した京都新聞杯はレース後に骨折が判明しており、度外視できる。

 「先週のきょう(水曜)の時点で(有馬記念の)騎乗馬はいなかった。このツキを生かしたい」。武豊の24年連続JRA・G1勝利の記録も首の皮一枚つながり、土壇場の強運に力がこもる。そして、強運ならレッドデイヴィスも同じ。鳴尾記念の復帰Vがなければ、有馬記念出走のプランもなかった。セン馬には出走が許されないクラシックの舞台には当然縁はない。有馬記念が初のG1舞台となる。大事なモノはないが、運と底力はある。「金的、射止めたり」は夢物語ではない。

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2011年12月22日のニュース