「虎に翼」轟役の戸塚純貴、「#俺たちの轟」に感謝 ジュノンボーイ→コメディ俳優 遠回りでつかんだ自信

[ 2024年6月25日 08:15 ]

ポーズを決める戸塚純貴(撮影・望月 清香)
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 俳優の戸塚純貴(31)がNHK連続テレビ小説「虎に翼」(月~金曜前8・00)で存在感を放っている。伊藤沙莉演じる主人公の大学時代の同級生で弁護士の轟太一役。熱く真っすぐな男を表情豊かに演じている。SNSでは「#俺たちの轟」というハッシュタグが生まれるほどの人気だ。好演の裏には、数々の作品に出演する中で培った演技力と自信があった。(望月 清香)

 「戸塚純貴です。よろしくお願いします」。戸塚は記者と目が合うなり、指先をそろえて丁寧に会釈した。熱血漢な役のイメージとの違いに驚かされる。「僕は中性的に見られることが多いので、轟と似ているところはあまりないと思います」。柔らかな口調とやや高めの声で明かした。

 朝ドラへの出演は今作が初めて。「1つの目標だった」と喜んだ。また、主演の伊藤とは2020年にTVerのCMで共演して以来、仲が良いという。「プライベートで一緒にお酒を飲んだりしていて、女優さんとしてもすごく尊敬できる。そんな沙莉が朝ドラのヒロインになったのがうれしかったし、その作品に出られることがとにかくうれしかった」。ひとしおの喜びを語った。

 個性派ぞろいの今作の中で、轟は一際キャラが強い。“男らしく”生きることにこだわり、不誠実な言動には「愚か者!」とビンタする。戸塚は「轟には自分が正しいと思ったことを貫く潔さと心の強さがある」と魅力を語った上で、「男らしさをかなり誇張しました」と明かした。誇張して演じたのは、“男らしさ”の鎧を被った轟と内に秘めた思いのギャップを表現するため。轟は第11週「女子と小人は養い難し?」で、泣きながら親友・花岡悟(岩田剛典)への思いを吐露する。「男らしく生きてきた轟の心には傾いたものがずっとあった。実はとても繊細な男だと思う。これからはもっと柔らかさを出していきたい」。豪快な男の心の機微を丁寧に表現している。轟がここまで視聴者に愛されたのは、戸塚のコミカルかつ繊細な演技のたまものだろう。

 戸塚は「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」をきっかけに芸能界入り。2012年にテレビ朝日「仮面ライダーウィザード」に出演し、王道イケメン俳優としてキャリアをスタートさせた。一方で、元々大のお笑い好きで、コメディに興味があった。「マネージャーさんに好きなものを話していくうちにシフトチェンジしていった。その時の自分にはコメディしか信じられるものがなかった」。ワークショップにひたすら通い、地道に演技力を磨いていった。

 中でも影響を受けたのが、コメディの奇才・福田雄一監督との出会いだ。14年にテレビ東京「アオイホノオ」で福田組に初参加。初めはワンシーンの予定だったが、福田氏が戸塚の演技を面白がり、急きょ出演シーンを増やした。さらに、翌年にLaLaTV「私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな」で木南晴夏との2人芝居に戸塚を抜てきした。「経歴も実力も何もない、誰も知らないような僕を使ってくださった。本当に感謝です」。以来、日本テレビ「スーパーサラリーマン左江内氏」(17年)、映画「銀魂2 掟は破るためにこそある」(18年)など、多数の福田作品に出演。コメディ俳優としてキラリと光る存在感を発揮していった。

 これまで出演したドラマ・映画は、170本を超える。蒔いた種が花を咲かせるように、ほんのワンシーンだけの出演が大きな役へとつながっていった。昨年には日本テレビ「だが、情熱はある」で「オードリー」春日俊彰を演じ、憑依っぷりが話題になった。「ちゃんと時間がかかっているんです。目の前のやるべき事を真剣にやってきて、もっと近道があったのかもしれないですけど、自分はそういう星の下には生まれなかったので」。自虐的に話すが、その表情はどこか誇らしげ。遠回りしたからこそ、つかんだ揺るぎない自信が感じられた。

 「この役は俺じゃなきゃできないという気持ちがある。与えられた以上、役を自分のものにしないと自分がやる意味がない。今までやってきたこと全部が今の自分を作っている。今までがあっての轟太一です」と力を込めた。

 朝ドラの反響について「自分の人生がこんなことになると思わなかった。本当にありがたいですね」と感慨深げ。一方で役のイメージが強いせいか、プライベートで声を掛けられることがないという。「“もっと気づかれたい戸塚純貴”と記事に書いてください」と、右頬にくっきりえくぼを浮かべて笑った。朝ドラの質問中に何度も「作品に恵まれた。運が良かった」と口にする戸塚だが、きっとこの謙虚な姿勢と飾らない人柄がたくさんの縁を引き寄せているのだろう。これからどんな出会いを経て、どんな演技をするのか。ますます楽しみだ。


 <岩手県出身 震災で決意>
 戸塚は岩手県盛岡市出身。現在の所属事務所にあいさつするために上京する3日前、東日本大震災が発生した。地元は津波の被害こそなかったが、電気や水が何カ月も止まった。「初めて死を身近に感じた。その時に今までやったことないことに挑戦しないといけないと思った」。役者として生きていくことを決めた。「震災がなければ固い決意はなかったと思う。僕にとっては大きいきっかけだったし、僕の俳優人生は震災と共に歩んでいる」と、故郷への思いを口にした。

 ◇戸塚純貴(とづか・じゅんき)
 1992年7月22日生まれ、岩手県盛岡市出身の31歳。2011年フジテレビ「花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011」で俳優デビュー。日本テレビ「肝臓を奪われた妻」(火曜深夜0・24)にも出演中。趣味はバイク、ゴルフ。身長1メートル72。血液型A。

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