「どうする家康」最終回 語り=春日局ネット初回“的中”「身震い」も 寺島しのぶ“涙の説得力”演出絶賛

[ 2023年12月21日 11:00 ]

大河ドラマ「どうする家康」最終回(第48話)。“神の君”徳川家康の逸話を語る福(のちの春日局)(寺島しのぶ)(C)NHK
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 嵐の松本潤(40)が主演を務めたNHK大河ドラマ「どうする家康」(日曜後8・00)は今月17日、15分拡大で最終回(第48話)が放送され、完結した。竹千代(のちの徳川家光)の乳母・福(のちの春日局)として語りを務めた女優の寺島しのぶ(50)が同役で本編に初登場。寺島、同回を担当したチーフ演出の村橋直樹監督に撮影の舞台裏を聞いた。

 <※以下、ネタバレ有>

 「リーガル・ハイ」「コンフィデンスマンJP」シリーズなどの古沢良太氏がオリジナル脚本を手掛けた大河ドラマ62作目。弱小国・三河の主は、いかにして戦国の世を生き抜き、天下統一を成し遂げたのか。江戸幕府初代将軍を単独主役にした大河は1983年「徳川家康」以来、実に40年ぶり。令和版にアップデートした新たな家康像を描いた。古沢氏は大河脚本初挑戦。松本は大河初主演となった。

 最終回は「神の君へ」。徳川家康(松本潤)は豊臣との決戦に踏み切り、乱世を終える覚悟で自ら前線に立った。真田信繁(日向亘)らは家康の首をめがけて攻め込む。徳川優勢の中、千姫(原菜乃華)は茶々(北川景子)と豊臣秀頼(作間龍斗)の助命を訴えたものの、家康が下した決断は非情だった。翌年、江戸は活気に満ちあふれ、僧・南光坊天海(小栗旬)は家康の偉業を称え…という展開。

 徳川VS豊臣の最終決戦「大坂夏の陣」(慶長20年、1615年)、翌年(元和2年、1616年)の徳川家康の臨終が描かれた。

 天海の登場シーンから、語り「すべては、天が私たちにお授けくださった神の君が、この金色の具足をまとったその日から、天下泰平のため、邁進してくださったおかげでございます」を挟み、福の登場シーンへ。

 福「(感極まりながら)我らはそれを受け継ぎ、未来永劫、徳川の世を、守ってゆかねばならぬのです。若君ならばできまする!竹千代様には、偉大なる神の君の血が受け継がれておられるのですから。ようございますな、竹千代様」

 本多正信(松山ケンイチ)「終わりましたか。結構なご高説でございました、福殿」

 福「若君、しかと聞いておられたのか!」

 竹千代(潤浩)「神の話なんぞ、聞きたかないや」

 福「何と罰当たりな!」

 正信「(竹千代の絵に)やはり、面白き若君でございますなあ」

 福「ああ~、頭が痛い!」

 寺島は「ナレーションから自分の登場シーンになるので、役のテンションを上げて、語りも役に近づけて、つながるように意識しました」。撮影は、今年10月に歌舞伎本興行初出演を果たした東京・歌舞伎座「錦秋十月大歌舞伎」昼の部「文七元結物語」の最中。「その役柄が長屋に住む貧しい女房で、片や春日局は煌びやかな衣装にきれいなかつら。リハーサルを重ねるうちに切り替えることができましたが、セットに入ってすぐは落ち着きませんでした」としながらも「私がクランクアップの日に松本潤さんが駆けつけてくださって、ビックリしました。最後に一緒に写真も撮れて、うれしかったです」と振り返った。

 村橋監督は「語りは家康公のことを崇め奉っている人物という設定にしたいというのは、脚本を書き始める前から古沢さんが持っていらしたプランでした。『だったら男性なら家光か天海、女性なら春日局だな』と我々スタッフの中での裏設定として、寺島さんにはナレーションを担当していただいていました」。初回からSNS上には「語りの正体は春日局?」と予想の声が上がり「大河ファンの恐ろしさに身震いしました」と明かした。

 「それだけに、今回の語り・春日局という役は本当に難しかったと思います。普通、大河ドラマの語りというものは、主人公を遠くから見つめ、時に寄り添う視座にいるものです。しかし今回は、最終回で描かれたように、家康本人が一番望んでいない『神』という形で後世に語り継ぐという役割。視聴者は基本的には主人公に感情移入して見ていくものなので、それを逆撫ですることになってしまいます」と解説。

 「しかし、現場でいきなり涙を流して家康公の偉業を語り始める寺島さんの芝居に、とても安心しました。この人は本当に家康が神君であると信じているのだ、と。決して1年間、嘘を並べてきたわけではないのだ、と。『史実』と一言でいうのは簡単ですけど、歴史というものは語る人、読む人それぞれに真実があるものです。寺島さん演じる春日局という人物には、それが真実であり、歴史だったのだ、そう思わせる説得力がありました。ドラマのギミックではなく、人物を演じる寺島さんの芝居の強度が、このドラマを1年間支えてくれたのだと、あらためて感じた瞬間でした」と賛辞を贈った。

 総集編(4章構成)は今月29日(後1・05~5・49)に放送される。

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