「今、最もチケットが取れない落語家」春風亭一之輔が笑点新メンバーに選ばれた3つの理由

[ 2023年2月5日 17:37 ]

「笑点」新メンバーとして大喜利に参加した春風亭一之輔(C)日本テレビ
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 日本テレビの人気番組「笑点」の新メンバーに「今、最もチケットが取れない落語家」といわれる春風亭一之輔(45)が加入することが5日の放送で発表された。昨年9月30日に肺がんのため死去した六代目三遊亭円楽さん(享年72歳)の後任。新メンバーが加わるのは昨年1月の桂宮治(46)以来となる。

 今年1月1日放送の正月特番で「新メンバーは2月から登場します」と紹介された後、予想が白熱していた。名前が挙がっていたのは、一之輔のほか、昨年真打に昇進した美人落語家・蝶花楼桃花(41)、笑点メンバーでもある三遊亭好楽(76)の息子で五代目円楽さんの弟子でもある三遊亭王楽(45)、落語家ユニット「成金」のリーダー格を務める柳亭小痴楽(34)、司会の春風亭昇太(63)の弟子の春風亭昇也(40)ら。

 現在、若い世代に落語ブームが起きる中で勢いある若手の名前が並んだが、この中で一之輔が選ばれた背景には3つの理由があった。

 スポニチアネックスの取材にテレビ関係者は「まず第1にその実力。“今、最もチケットが取れない落語家”と呼ばれるだけあって、腕のあった円楽さん亡き後、視聴者が求めていたうまさを見せてくれるとの期待がある。その上で、近年テレビ局が重視しているのは世帯視聴率ではなく、コア視聴率。スポンサーが狙う購買層の13歳から49歳のコア層に人気の一之輔は響く人材。その思いが作り手にある」と語る。

 2つ目の理由として、落語関係者は「一之輔を将来的な司会者候補に考えている」と明かす。現在の笑点メンバーは司会の春風亭昇太(63)をはじめ、林家木久扇(85)、三遊亭好楽(76)、三遊亭小遊三(75)、林家たい平(58)、桂宮治(46)。「司会の昇太で60歳を超えている。若い世代の実力者・一之輔を司会候補として育てたいという思いがあるようだ」と話す。

 3つ目の理由として、多くの関係者が指摘するのは「バランス」。現在の笑点メンバーの所属をみると、落語協会=林家木久扇、林家たい平、落語芸術協会=春風亭昇太、三遊亭小遊三、桂宮治、円楽一門=三遊亭好楽。「新たに芸術協会が加わるとバランスが崩れるので、それはないのでは」とみていた関係者は多く、「円楽さんがいなくなって1人減った円楽一門か、昨年加入した宮治が芸術協会でもあり、今回は落語協会からではないか」とされていた。候補に挙がっていた落語家では、落語協会=蝶花楼桃花、春風亭一之輔、落語芸術協会=柳亭小痴楽、春風亭昇也、円楽一門=三遊亭王楽だった。落語協会所属の一之輔の起用に「順当だったのでは」と語る落語家もいる。

 ◆春風亭一之輔 01年に春風亭一朝に入門。年間に高座約900席をこなす超売れっ子で、ラジオのパーソナリティとしても人気を博している。「NHK新人演芸大賞」落語部門大賞を受賞。

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2023年2月5日のニュース