長嶋一茂 知床観光船事故、国交省の甘いチェックに「本当にずさんだなという感じ」

[ 2022年5月20日 13:11 ]

長嶋一茂
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 元プロ野球選手でタレントの長嶋一茂(56)が20日、テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜前8・00)に出演。北海道・知床沖の観光船「KAZU 1(カズワン)」の沈没事故で、国土交通省が、運航会社「知床遊覧船」が昨年の事故後、監査を受けて改善を報告したにもかかわらず、今回の事故を起こしたとして「事業者に対する監査の在り方を反省し、見直しも議論する」との見解を示していることに言及した。

 国交省は、聞き取りや文書のチェックで改善したと判断し、同社の実態を見抜けなかったとして、確認方法の強化を検討する。今年4月23日の沈没事故では、運航管理者の桂田精一社長(58)が事務所を離れ、運航管理補助者もおらず、船と陸上との通信手段としていた携帯電話は航路の大半で通信エリア外だった。船舶安全法で認められないアマチュア無線を使っていたことも判明している。国交省は監査で、アマチュア無線の使用や出航判断に関する記録の不備を確認し、連絡体制の構築など改善を指導。北海道運輸局は改善策が実施されているか抜き打ちで確認し、桂田社長が聞き取りで「安全があっての商売」「安全運航に努める」と話したことなどから「安全と法令順守意識が向上した」と結論付けていた。同社を巡っては、沈没事故の3日前、国の代行機関による船舶検査で、船長の「つながる」という説明を受け、衛星電話から実際はつながりにくい携帯電話への変更も認めていた。

 司会の羽鳥慎一アナウンサーが「運航会社の問題はもちろん言語道断ということになるわけですけれども、国交省のチェック態勢の問題も多く指摘されてきました」と聞くと、一茂は「これもう本当にずさんだなという感じですね」と言い、「もちろん行方不明者の方たちの捜索、とても大事だと思いますけれども、同じように大事なのがこの責任の所在はどこになるのかということだと思う」と指摘。そして「4点あって、1つは船長、もう1つは運航会社、で地元の観光行政、この国交省。この4点のうちでどこが一番責任が問われるのかってという議論もちゃんと情報開示してなされてほしいなって思います。ルールを決めなきゃいけないと思う。見直しをしないといけない。つまり夏休みがこれから近くなってきて、観光遊覧される方はたくさんいると思う。その中では、救命胴衣をつけていても、あの海水温だったら屈強な人間でも5分で心肺停止するわけですよ。例えば救命胴衣は何個必要だとか、28人の乗員に対して乗組員はプロの人に言わせると最低3~5人は絶対に必要だという話もありますし、いろんな所でもう1回、国交省が見逃しているような、例えば今回は知床でしたけど、九州だとか四国だとか日本は海に囲まれてますので、いろんな所で観光遊覧されてますから。もちろん海だけではなくて湖もあると思うんですね。そういう水のレジャーってこれからどんどん増えていくので、僕が親だとしたらこのへんのずさんなところ、ルール上の取り決めがきちっとされていないと子供を乗せられないなって思うが僕はすごく強いですね」と自身の思いを話した。

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2022年5月20日のニュース