藤井貴彦アナ「信じられないですね」 知床観光船社長の保険金額計算に憤り

[ 2022年5月3日 18:05 ]

日本テレビの藤井貴彦アナウンサー
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 日本テレビ藤井貴彦アナウンサー(50)が3日、キャスターを務める同局系「news every.」(月~金曜後3・50)に生出演し、知床半島沖で先月23日に起きた観光船の沈没事故で運航会社の社長の通話音声について私見を語った。

 乗客乗員26人が乗った観光船「KAZU 1(カズワン)」は、カシュニの滝から1キロ沖、120メートルの海底で発見された。これまでに14人の死亡を確認したが、いまだ12人の行方が分かっていない。

 番組では、記者会見前日に「知床遊覧船」の桂田精一社長が知人と電話した際の通話音声を入手。「(会見では)謝るだけになっちゃうと思うんですけど、とりあえず謝罪の方はもちろんするんですけど」「保険の方もですね、(乗客が)24名ですから、えーっと、1人最高1億とか出してもまだ余るような形なので、そちらの方は問題ないのかと思いますけど」「逮捕はないですね。弁護士さんにそのへんの話はみんな相談してますので、逮捕はしづらいねって話です」といった内容だった。

 報道陣の前では3度の土下座をして謝罪していた桂田社長だが、裏では事故への責任感や乗員乗客の安否はそっちのけで、保身と取られてもおかしくない言葉を口にしていたことになる。藤井アナは「ちょっと驚きましたけど、乗客の方の数値と、1人1億出してもまだ余るのかなという計算をしていたこと、一方で一緒に仕事をしていた船長とか甲板員の方が見つかっていない状況なわけですよね?どういう状況でお話をしていたのか本当に分かりませんけど、そういう状況でこんな内容をしゃべっていたのは信じられないですね」と憤りをあらわにした。

 桂田社長は会見で、安全管理規程にのっとった運航をしていたとしたが、乗客の家族に配布した文書では、規程に違反していたことを認めている。「船舶の運航等は社員に任せている部分も多く、私自身の自覚も足りませんでした」と、謝罪の言葉も記されているという。藤井アナは「今の言葉を聞いていますと、経営の責任は自覚していると思うんですけど、ただ一方で命を預かるという責任については認識がやや緩かったのではないかということが、この言葉の端々から見えてきますね」と厳しく指摘した。

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2022年5月3日のニュース