小泉悠氏 米政府「プーチン氏に誤情報」分析に「ロシア軍が不手際な戦争を続けてるというのは…」

[ 2022年4月3日 09:21 ]

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 ロシアを専門とする東大専任講師の小泉悠氏が3日、TBS系「サンデーモーニング」(日曜前8・00)に出演。米ホワイトハウスのベディングフィールド広報部長が3月30日の記者会見で、ロシアのプーチン大統領がウクライナ侵攻の苦戦や米欧日などの制裁による経済の疲弊について、軍幹部や高官から誤った情報をもたらされているとの分析を明らかにしたことに言及した。

 ベディングフィールド氏は「怖くて真実を伝えられないからだ」と指摘。誤情報が上がっていると気付いたプーチン氏と高官の間で「緊張関係が続いている」と強調した。国防総省のカービー報道官も記者会見で、プーチン氏がロシア国防省から十分な情報を得られていないとの見方を示し「ロシア軍がウクライナでどの程度失敗しているか理解していない可能性がある」と懸念を示した。その結果、停戦交渉に「あまり誠実でなくなる恐れもある」と述べた。

 司会の関口宏が「プーチンという人にちゃんとした情報が流れていないっていうのは、多少は信ぴょう性があるんですか?」と聞くと、小泉氏は「クレムリンの中のことですのでね、なかなか分からないんですけれども、ただ多くの独裁者が末期はこういう状態に陥っていったわけですよね。もう一つは、今回の軍事作戦の手際の悪さと言いますか、普通に正しい情勢認識に基づいて政治指導部と軍が一緒になって作戦をつくったらもう少し鮮やかにやった気がするんですよね。これだけロシア軍が不手際な戦争を続けてるというのは、そもそも政治指導部にちゃんと情報がいってないのではないかという疑いができるわけです」と指摘。そして、「普通、軍事作戦をつくる時って、まずそもそも戦争をやって何がしたいのかってエンドステイトを決めて、そこから必要な手段とかが決まっていくわけです。なのでこのエンドステイトの部分がちゃんとしてないと軍事戦略も変なふうになってしまうんですが、どうも今回はまさにそうなのではないかという気が私はしますね」と自身の見解を述べた。

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2022年4月3日のニュース