2年2カ月ぶり共演 坂本龍一と吉永小百合 演奏会で反戦訴え…ウクライナへの思い込めた

[ 2022年3月27日 05:30 ]

吉永小百合(左)と坂本龍一が2年2カ月ぶりに共演
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 音楽家の坂本龍一(70)と女優の吉永小百合(77)が26日、東京都港区のサントリーホールで行われた「東北ユースオーケストラ」公演で、2年2カ月ぶりに共演。坂本は新曲に、そして吉永は詩の朗読に東北だけでなく戦禍に苦しむウクライナへの思いを込めた。

 東日本大震災からの復興支援を目的に坂本が総監督を務めて2013年から活動を展開する演奏会。20年、21年とコロナの影響で中止を余儀なくされ、3年ぶりの開催となった。昨年1月に直腸がんの摘出手術を受け療養していた坂本にとっては、吉永とジョイントした20年1月の沖縄での平和コンサート以来のステージ復帰の場となった。

 ベートーベンの「第九」がメインディッシュだったが、注目は同オケのため書き下ろした新曲「いま時間が傾いて」の世界初演。坂本は「今日初めて生で聴いて、内心ぐっと来ています」と声を震わせた。続けて「どうしてもウクライナのことを思い浮かべてしまいます。本当は黄色と青の衣装を着て出たかったほど。震災と戦争とは違いますが、曲に込めた鎮魂の思いは共通。演奏が素晴らしくて、ウクライナ国歌に聴こえました」と話した。

 88年公開の主演映画「華の乱」の完成披露試写会以来、2度目のサントリーホールの舞台という吉永は淡いパープルの衣装で登場。坂本の伴奏で6編の詩を朗読し、ステージから「争いがなくなればいいですね」と訴えた。終演後にも「ウクライナのニュースを見るたびに精神状態がおかしくなりそう。このままじっとしていていいのかしらと。何もできない自分が情けなくて」と胸の内を明かした。

 ウクライナの“国花”をモチーフにしたイタリア映画「ひまわり」(70年公開)が好きという。ロシア軍による原発への攻撃にも心を痛める吉永は困窮する国民のために「せめてネットを通して寄付するくらいはしたい」と話し、「坂本さんのような方が世界の指導者になってくれれば」と願いを口にした。

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2022年3月27日のニュース