露TVで反戦抗議 専門家が意義強調「政府を信じている人たちに、おかしいと思うきっかけに」

[ 2022年3月15日 19:15 ]

東京・赤坂のTBS社屋
Photo By スポニチ

 ロシアの安全保障に詳しい笹川平和財団の畔蒜(あびる)泰助主任研究員が15日、TBS系「Nスタ」(月~金曜後3・49)にリモートで生出演し、ロシアのテレビ局スタッフが生放送中に起こした反戦抗議について私見を語った。

 ロシアの国営テレビ局スタッフの女性が、ニュース番組の生放送中にキャスターの後方に現れ、「戦争反対 プロパガンダを信じないで あなたはだまされている」と書かれたメッセージを掲げた。

 抗議行動を背後に、女性アナウンサーは表情を変えることなくニュースを読み続けている。畔蒜氏は「これはおそらくチームプレーなんだろうと思うんですね。アナウンサーの人も、後ろにいるスタッフもカメラマンも、おそらくこれをやると分かっていてやった。表に出たやったのは彼女だったけど、おそらくチームプレーだったと思う」と推測した。

 ロシアではウクライナへの軍事侵攻後、ロシア軍への虚偽の情報を意図的に広めた個人や団体を、最大で禁錮役15年に科す法律を制定。情報統制に乗り出している。そんな中での行動だったが、女性はこの後、警察当局に拘束されており、畔蒜氏は「確実にその容疑で拘束されていると思う」とした。

 生放送中の出来事で、ロシア国民の反応を聞かれた畔蒜氏は「2通りに分かれると思う」と推測した。「みんなおそらく、薄々、今の状況が何かおかしいと思っている人がもちろんいる。そういう人たちには、大きく勇気を与えていると思う」。さらに「特に地方にいる、政府のプロパガンダを信じている人たちには、この情報発信が行われれば、徐々に何かおかしいんじゃないか?と思うきっかけを与える。そういう意味で、非常に意義のある行動だと思います」と分析した。

続きを表示

2022年3月15日のニュース