広瀬陽子教授 露によるウクライナ侵攻の出口 「プーチン大統領の中では論理崩壊している。完全に妄想」

[ 2022年3月9日 11:52 ]

東京・六本木のテレビ朝日社屋
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 ロシア政治を研究し、日本政府の国家安全保障局顧問(2018~20年)などを歴任した慶大総合政策学部教授の広瀬陽子氏が9日、テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜前8・00)に出演。ロシアによるウクライナ侵攻について解説した。

 ロシア側へつながる「人道回廊」のその先について「ロシア側は保護して、おそらく温かい食事などを与えてロシアに来て良かったねということを言わせて、ウクライナはひどかったというインタビューをとるのではないか。政治宣伝に利用すると思われる。おそらく安全だとは思う」とした。一方、西側への退避ルートは「残念ながら時間稼ぎ以外のなにものでもない。攻撃が中心に向かっているので単に攻撃から逃げているだけ。本来は西側に出さないといけないが、それがうまくいっていない。当座の安全だけを確保していくというネガティブな回避の仕方になってしまっている」と述べた。

 さらに、この戦争の出口については「プーチン大統領の中では論理崩壊していると思う」。ロシアの国営通信が勝利宣言の予定稿を誤配信した一件を「キエフが2日で陥落して、ウクライナ人に歓迎されて、喜び勇んでロシア世界に戻ってくるというような幻想的なことが描かれていた。完全な妄想なんですよね」と指摘。

 「そういう幻想があって、軍事行動も行っている。ロシアがキエフを落とせばウクライナ人がついてくると妄想している。反発を想定できていないんだと思う。(ロシア側が望むウクライナ元大統領)ヤヌコビッチを据えるとなれば反乱は絶えないことになる。力で抑え込むことしか想定できないのでは。側近も耳打ちしているとは思いますが、声がまったく本人に届いていない状況だと思います」とした。

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2022年3月9日のニュース