藤井聡太王将がA級昇格 19歳7カ月でのA級入りは加藤一二三に次ぐ歴代2位の若さ

[ 2022年3月9日 23:18 ]

佐々木七段を下し、A級昇格を決めた藤井王将(左)(日本将棋連盟提供)
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 将棋の第80期順位戦(毎日新聞社、朝日新聞社主催)B級1組最終13回戦は9日、東西の将棋会館で6局一斉対決を行った。9勝2敗でトップに立つ藤井聡太王将(19)=竜王、王位、叡王、棋聖含む5冠=は佐々木勇気七段(27)を下して10勝目を挙げ、1位が確定。同時に来期のA級初昇格を決めた。

 19歳7カ月でのA級入りは加藤一二三・九段(引退)の18歳1カ月(1958年2月)に次ぐ歴代2位の若さ。3位は谷川浩司九段で19歳11カ月(82年3月)。

 この日はともに昇級を争う8勝3敗の稲葉陽八段(33)と千田翔太七段(27)が勝ち、藤井が敗れた場合は前期順位の差で昇級を逃す可能性があった。対戦相手の佐々木は17年7月2日の初手合わせでデビュー以来の連勝記録を29で止められた因縁の相手。それでも序盤から終盤にかけて持ち時間をぜいたくに消費する「聡太流」を存分に披露し、勝ちきった。

 「鬼のすみか」と称される高レベルのB級1組を1期で通過した史上最年少5冠。今春開幕する「神のすみか」A級(所属10人)で1位になれば来春の第81期名人戦7番勝負出場となり、谷川が持つ史上最年少名人記録(21歳2カ月)に挑戦することになる。

 A級昇格の残り1枠は郷田真隆九段(50)を下した稲葉が9勝3敗で獲得。稲葉は79期以来、2期ぶりのA級復帰となった。

 ▼藤井王将の話 (今対局は)ちょっと失敗したかなと思った。仕掛けに対しどう対応すれば分からず、本譜は苦しくしてしまったと思い指していた。今期は全体として結構苦しい戦いだったのでなんとか昇級できたのはよかった。課題が多かったと思うので、そのあたりをしっかり振り返って、来期は(名人)挑戦争いに絡めるよう頑張りたい。

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