押忍!ロコ・ソラーレ、強さの秘密は「身体能力と対話力」 昨秋“出稽古”空手道場の師範が語る

[ 2022年2月20日 05:30 ]

昨秋、優至会酒井道場に“出稽古”した藤沢五月(同道場のブログから)

 北京五輪カーリング女子で20日の決勝・英国戦に臨む日本代表「ロコ・ソラーレ」の強さの秘密を、昨秋に“出稽古”を受けた空手道場の師範が語った。道場で感じたのは「身体能力と対話力」の高さ。チーム名さながらの太陽のような明るい笑顔が、金色のメダルを呼び込む。

 異色の空手トレーニングは、昨年9月に札幌市内の体育館で実現した。指導したのは、北海道千歳市や恵庭市などを拠点とする優至会酒井道場の酒井直樹代表(48)だ。きっかけは、専門学校の同級生だったロコ・ソラーレの大森達也トレーナーからの依頼。遠征もままならぬコロナ下の練習に頭を悩ます親友のオファーを「競技は違えど、スポーツの根幹には共通する動きがある」と快諾した。まずはオンライン指導を行い、ロコ・ソラーレが札幌市で行う合宿にタイミングを合わせての直接指導となった。

 道着姿でミット打ちや組手をこなすメンバーの姿から感じたのは「バランス感覚や身体操作のレベルの高さ」だった。「意外に難しいよ~」と明るく言いながら、後ろ回し蹴りや難しい蹴りの連続技に挑戦し、みるみる上達する姿に驚いた。

 カーリングは選手のパワーやスピード、テクニックの凄みをテレビ画面から感じにくい面もあるが「道場での彼女たちは、まぎれもなくトップアスリートだった」とうなった。

 練習相手を務めた中学生たちとも打ち解けて「ガード、ガード!」「スキだらけだね~」と、笑顔で声を掛けるのもテレビで見たまま。「メンバー4人で盛り上がるだけではなかった。中学生や、我々おっさん指導者やスタッフにも分け隔てなく声掛けしてくれた。明るく、良い雰囲気の練習ができた」と振り返る。

 そして、これこそがチームの強さの秘密とも感じている。「良いコミュニケーションが取れていることは、チーム競技の強みになるんじゃないですか。みんなが話しやすく、情報を出し合い、共有できる雰囲気なのかもしれない」と分析。カーリングは刻々と変わるアイス(氷面)の状況やストーンのクセなど、密な情報共有が生命線の競技でもある。

 「彼女たちは北海道の誇り。決勝でも明るく楽しくプレーしてほしい。その上で金メダルが獲れればなおいい」と酒井さん。太陽(ソラーレ)のような笑顔で、一番輝くメダルを持ち帰ることを期待している。

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