作家の西村賢太さん急逝 新潮社追悼「まだ信じられない思い」「藤澤清造の命日から数日 驚いております」

[ 2022年2月5日 16:00 ]

急逝した西村賢太さん
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 芥川賞受賞作「苦役列車」などで知られる作家の西村賢太(にしむら・けんた)さんが5日朝、東京都内の病院で死去した。54歳。東京都出身。所属のワタナベエンターテインメントは「弊社所属の小説家西村賢太(享年54歳)が、2022年2月5日(土)に急逝しましたことをご報告いたします。これまでご支援いただきましたファンの皆様、関係者の皆様には、生前に賜りましたご厚誼に深く感謝し、謹んでご報告申し上げるとともに、故人のご冥福をお祈りいたします」と報告した。

 新潮社は同日、出版文芸部のツイッターで「作家の西村賢太さんが急逝されました。小社からは芥川賞受賞作『苦役列車』をはじめ、多くの作品を刊行させていただきました。(西村さんが敬愛する)藤澤清造の命日(1月29日)から数日のことで、驚いております。ご冥福をお祈り申し上げます」「西村賢太さん急逝の報にまだ信じられない思いです」と追悼した。

 西村さんは中学卒業後、アルバイトで生計を立てながら小説を執筆。2007年に「暗渠の宿」で野間文芸新人賞、11年に「苦役列車」で芥川賞に輝いた。芥川賞受賞決定後の記者会見における型破りな発言が注目され、同作はベストセラーに。12年には俳優の森山未來主演で映画化もされた。

 大正時代に活動した作家・藤澤清造に心酔。小説集の出版に尽力。著書に「どうで死ぬ身の一踊り」「小銭をかぞえる」「廃疾かかえて」など。

 関係者によると、4日夜、タクシー乗車中に意識を失い、病院に搬送されていた。

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