「旅屋おかえり」安藤サクラが描く役者像「想像と違う自分に」朝ドラ「まんぷく」は「得がたい特別な時間」
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NHKの特集ドラマ「旅屋おかえり」(今月25日から4夜連続放送、後7・00~7・30、BSプレミアム)に主演する女優の安藤サクラ(35)。NHKのドラマに主演するのは、ヒロインを務めた2018年後期の連続テレビ小説「まんぷく」以来、約3年ぶりとなった。「まんぷく」制作チームと再タッグを組んだ今作。30代後半を迎えて輝きを増し続ける安藤に、史上初の“ママさんヒロイン”として完走した「まんぷく」という作品の位置づけや今後の展望を聞いた。
原作は「楽園のカンヴァス」などで知られ、19年に「第12回エキナカ書店大賞」に輝いた原田マハ氏の同名小説。依頼人の代わりに旅に出るヒロインの全国行脚の珍道中を描く。
脚本はNHK「流行感冒」「群青領域」なども手掛けた劇作家の長田育恵氏。上演台本を担当した20年9月の舞台「ゲルニカ」が“演劇界の芥川賞”と呼ばれる第65回岸田國士戯曲賞の最終候補作品に選ばれた注目の演劇人。
第1回(25日)&第2回(26日)の「秋田編」に続き、第3回(27日)&第4回(28日)は「愛媛・高知編」。“旅屋”を始めて半年が経った“おかえり”ことタレントの丘えりか(安藤)。ある日、打ち切りになったレギュラー旅番組「ちょびっ旅」のスポンサー、江戸ソースの会長・江田悦子(真野響子)から、所属事務所「よろずやプロ」の萬鉄壁社長(武田鉄矢)とともに自宅に呼ばれる。悦子は高知県の梼原に行き、紅葉を1枚持ってきてほしいと頼む。
安藤はチーフ演出を務めた渡邊良雄監督ら「まんぷく」の制作チームと再び強力タッグ。劇中、えりかのスマートフォン自撮り映像は「自分でも撮ってはいますが、どうしてもカメラの性能が違うので、カメラマンさんにも(自撮り部分を)撮っていただきました。『まんぷく』で築き上げた一心同体になれる信頼関係があるからこその画(絵)だと思います。渡邊さんとも『まんぷく』以来のお仕事でしたが、もう何も言わずともウインク一つで気持ちが分かり合えるみたいな(笑)。最高のチームです」と明かした。
「まんぷく」は朝ドラ通算99作目。モデルはインスタントラーメンを生み出した日清食品の創業者・安藤百福(ももふく)氏と、その妻・仁子(まさこ)さん。戦前から高度経済成長時代の大阪を舞台に、食べることが大好きな生来の楽天化・今井福子(安藤)とバイタリティーあふれる実業家・立花萬平(長谷川博己)の波乱万丈の物語を描いた。
安藤は17年6月に第1子を出産。18年5月から19年2月、約9カ月にわたって行われた収録は、NHKが局内に託児所を設置し、全面的にバックアップ。史上初の“ママさんヒロイン”として育児をしながら長丁場を駆け抜けた。
「私は日々の暮らしの中で作品との出会いがあると思っているんですが、たぶん生涯を通じても、なかなか得がたい特別な時間。それは『今、振り返ってみて分かる』ということじゃなく、既に当時から身に染みていましたね。美味しいものをじっくり味わいながら食べたいと思う時って、ありません?『まんぷく』の撮影はそんな感覚で、その時間を心に刻み、脳裏に刻み、体に刻み、集中して過ごしていました。その時から1分1秒を大事に、もう味わい尽くしていたんです」
数々の映画賞に輝き、リリー・フランキーと主人公の夫婦を演じた映画「万引き家族」(18年6月公開、監督是枝裕和)は同年5月、第71回カンヌ国際映画祭で最高賞パルム・ドールを獲得。朝ドラヒロインを経て、シリーズ化も視野に入る今作は新たな代表作になりそうだ。今年1年や今後の抱負を聞くと、安藤の描く役者像が見えた。
「最近、自分がどんどん想像と違う自分になっているような実感があって。想定外の出来事には嫌なこともあったりしますが、そういう時は柔らかく受け止めて、寄り添っていけるような自分でありたいと常に思っています。自分の暮らしの中でもそうですし、表現者としてもそうですし。自分自身が変化し、進化していけば、その時に出会う役柄も必ず新しいものになっていくと最近、特に感じています。だから、思ってもみないことにぶち当たっても、固まらずにいたいですね」
おのずと、具体的な目標は普段から持たない。
「目標以上のものが生まれなくなってしまうので。といいますか、想像もしていなかったところに辿り着くのが目標なんです。先日も、ブリーフを何枚はけるかのギネス世界記録に挑戦する企画がテレビ番組であったんですが、新記録の枚数しか用意していなくて、意外と早く達成してしまって。それなら、もっとたくさん準備しておけば、とんでもない新記録になったかもしれないのにー!と勝手に悔しがっていました(笑)。ゴールが決まっていると、つまらない。と、いつも思うわけです。作品に入る時も同じで、今回はこんなキャラクターで、こういうところにたどり着きたいから、こうやって演じようと決めていくより、その現場に行って生まれるものの方を信じていきたい。ハプニングにぶち当たるほどに、柔らかく進化していけたらいいなと思っています」
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