「鎌倉殿の13人」小栗旬“大河漬け”30代ラスト「無事に完走したい」逆算しない“ジャズのような現場”

[ 2022年1月2日 00:00 ]

「鎌倉殿の13人」小栗旬インタビュー(下)

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の主演を務める小栗旬は昨年7月に静岡ロケ(C)NHK
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 俳優の小栗旬(39)がNHK大河ドラマ初主演を務める「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は今月9日、15分拡大版でスタートする。演じるのは、鎌倉幕府2代執権・北条義時。田舎の平凡な武家の次男坊は、どのように歴史の渦に巻き込まれるのか。“大河漬け”となる30代ラストイヤーを迎えた小栗に、物語序盤の舞台裏や今年の抱負を聞いた。

 ヒットメーカーの三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に、頼朝の13人の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本となる。

 20年1月8日に制作を発表。21年6月9日、横浜・緑山スタジオでクランクインした。7月上旬からは約2週間にわたり、物語序盤の舞台となる伊豆の国市などで静岡ロケを行った。

 放送スタートを前に、インタビューに応じた小栗。大河初主演となる今作は、北条義時役に挑む。田舎の平凡な武家の次男坊だったが、姉・政子(小池栄子)が源頼朝(大泉洋)の妻となり、状況が一変。頼朝の右腕として、一癖も二癖もある坂東武者たちの間を奔走する。

 初回は、安元元年(1175年)、伊豆。義時の兄・宗時(片岡愛之助)は、平家の威光を後ろ盾にのし上がった実力者・伊東祐親(義時・宗時の祖父、浅野和之)に反旗。伊豆に流され、伊東家の監視下にあった源氏のプリンス・頼朝に付く。頼朝を旗頭に平家打倒へ突っ走る熱血漢、兄の理想に巻き込まれた義時に、次から次へ難題が降り掛かる。

 平家の世にさほどの不満もなく、戦より米の勘定の方が性に合うと自覚している青年が歴史の表舞台に駆り出されることに。小栗も「最近だと、自分としては珍しいタイプの役かもしれませんね」という“巻き込まれ型”の主人公。兄からの無茶振り、頼朝にゾッコンになる姉の勝手な振る舞いなどに翻弄され続ける。自然と“受けの芝居”も多くなるが「演じていて、本当に楽しいです。面白く個性的なキャラクターばかりなので、皆さんと同じ時代を生きているのも、非常に楽しいです」。初回は、小栗が連発する“困り顔”が新鮮だ。

 政治工作や権力闘争などダークな面が次第に色濃くなるが、まだ何者でもなかった序盤の義時をどのように演じたのか。中盤以降の展開から逆算した演技プランはあったのか。

 「その点に関して、まず1つ言えるのは、スタート時点から演出陣と『今回は変に先を見越すのはやめましょう』という方針を共有しました。今の僕たちは歴史を知っていますが、物語の中の義時や登場人物は先のことなんて分からない。とにかく、その日、その瞬間の言動が彼にとっての真実。『その日、その瞬間のチョイスをし続けた人たち』という描き方をしてみないか、と。チーフ演出の吉田(照幸)監督が仰っていたジャズのセッションじゃないですが、このチームはそういう何か突発的に生まれてくるものを大事にしています。なので、僕としても『序盤はこんな感じから入って』という計算はあまり持たず、ひたすら振り回され続けていこう、と。振り回されることに対して特別な役作りはないですが、相手の芝居に対して、とにかく1つ1つ、しっかりとリアクションを取っていこうということは意識しているかもしれません」

 もちろん、先々には源平合戦など戦のシーンもあり「走る馬の上から弓矢を打つシーンは結構練習したので、視聴者の皆さんにも楽しみにしていただきたいです」と予告した。

 最後に今年の抱負を尋ねると「個人的に何かを望むということはなく、無事にこの作品を完走したいというのが本当に正直な気持ち。2021年に引き続き、とにかく、ひたすら撮影の日々になるので、そこを楽しみながら2022年を過ごしたいと思っています」。年末12月の誕生日を迎えると、節目の40歳。“大河漬け”となる30代ラストイヤーを突き進む。

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2022年1月1日のニュース