「鎌倉殿の13人」小栗旬 初の三谷時代劇「新鮮 言っていいんだ」三谷作品初主演 自身へのアテ書きは?

[ 2022年1月2日 00:00 ]

「鎌倉殿の13人」小栗旬インタビュー(中)

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第1話。源頼朝(大泉洋)と北条義時(小栗旬・左)(C)NHK
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 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は今月9日、15分拡大版でスタートする。国民的脚本家・三谷幸喜氏(60)の作品への主演は今回が初。三谷脚本の魅力について小栗に聞いた。

 大河ドラマ61作目。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に、頼朝の13人の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本、小栗は大河初主演に挑む。

 20年1月8日に制作を発表。21年6月9日、横浜・緑山スタジオでクランクインした。7月上旬からは約2週間にわたり、物語序盤の舞台となる伊豆の国市などで静岡ロケを行った。

 放送スタートを前に、インタビューに応じた小栗。三谷作品には10年4月のフジテレビ3夜連続スペシャルドラマ「わが家の歴史」、14年7月期のTBS日曜劇場「おやじの背中」最終回「北別府さん、どうぞ」(10人の脚本家が手掛けた1話完結のオムニバス)、15年の映画「ギャラクシー街道」に出演しているが、主演としては今回が初タッグとなった。

 三谷時代劇も初体験。「今まで大河ドラマや時代劇には『ちょっと、という言葉は絶対に口にしてはいけない』と思って参加してきましたが、今回の三谷さんの脚本には出てくるので『言っていいんだ』と新鮮な感じはありました。自分の『ちょっと待ってください』や、(源)頼朝を演じる大泉(洋)さんの『ちょ、ちょ、ちょっと、いいかな』だったり。大泉さんも『まさか、こんな台詞を大河で言うとは思わなかった』みたいなことは仰っていましたね」と明かし「その時代の言葉があるので、時代劇はアドリブを挟みにくいんですが、今回はその縛りが強くない分、面白くなったシーンもあると思います。特に序盤は、北条家のホームドラマ。視聴者の皆さんには、三谷さんのユーモアを楽しんでいただければ」と呼び掛けた。

 小栗によると、第15話あたりからストーリー展開が一気に加速。「この作品を15話までご覧いただければ、その後はさらに物語にのめり込んでいただけると思います。現場でもよく、みんなとそう話をしています」と手応えと期待感を示した。

 三谷氏といえば、役者のパーソナリティーを登場人物に当て込む「アテ書き」で知られるが「僕が演じる義時が一番フラットかもしれません。義時の周りにいる個性的なキャラクターはアテ書きされていると思いますが、その皆さんが前に出ることによって、義時の人物像が見えてくるという構図。今のところは、自分がアテ書きされている感じる点はありませんね」。そして「新選組!」「真田丸」と歴史の敗者を描いた三谷氏だが、今回の主人公は勝者。「義時は結局、最後の最後まで去らないじゃないですか。三谷さんの脚本は、去りゆく人たちの美学、散り際が非常にカッコいい。毎回、そう感じながら、去りゆく人を見送っています」。中盤以降、小栗へのアテ書きがあるのか、三谷流の勝者の描かれ方が注目される。

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