坂本龍一 「戦メリ」テーマ曲、世界初の旋律1音ずつNFT化 1音符1万円

[ 2021年12月21日 03:00 ]

坂本龍一が弾いた「戦場のメリークリスマス」テーマ曲の主旋律をNFT化 Photo by zakkubalan (C)2020 Kab Inc.
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 音楽家の坂本龍一(69)が自身も出演した映画「戦場のメリークリスマス」(監督大島渚、83年公開)のテーマ曲「Merry Christmas Mr. Lawrence」のメロディーを595音に分割し、その1音ずつをNFT化して発売することが20日、分かった。

 坂本は7月30日に東京・渋谷の文化村スタジオで演奏。このレコーディング音源を基にNFTを製作した。現在直腸がんで闘病中のため、今年唯一「Merry Christmas Mr. Lawrence」を演奏した貴重な音源で、1音につき定額1万円で販売される。

 NFTは英語「NON―FUNGIBLE(代替不可能な)TOKEN(証拠)」の略語。暗号資産(仮想通貨)の基盤技術であるブロックチェーンを使って管理され、複製や改ざんが不可能なため作者らの真正性を証明できることから、デジタルアート作品の取引でも活用。今年に入って希少価値を求める収集家らから多額の資金が流れ込み、今年の「新語・流行語大賞」の候補に選ばれるなど注目されている。

 坂本がNFT化したのは「Merry…」の主旋律である右手で弾いたメロディー595音。96小節あり、各NFTにはそれぞれの音が位置する小節の楽譜画像がひも付けられている。世界でデジタルアートの市場が沸騰する中、1つずつの音をNFT化した試みは「おそらく世界でも初の試み」(音楽関係者)で、時代の先端を常に走り続けてきた“教授”ならではの企画。コロナ禍で世界中のミュージシャンが活動に苦悩する中、自分たちの創造物を使った革新的なアイデアといえそうだ。

 595音は21~23日に計3回に分け、いずれも午後7時から販売。音階はもちろん、音の長さにも違いがあり、中には和音もある。NFTは1音につき1個しかないため、選ぶ「音」によっては争奪戦は必至だ。

 また、NFT購入者限定で「Merry…」の26小節までの手書き楽譜を入手できるオークションも24日から開催される。この直筆楽譜も1点もので、こちらも話題になりそうだ。

<NFT購入方法>
 マーケットプレイス「Adam byGMO」で1万円(税込み)の固定価格で一次販売。決済方法はクレジットカードや銀行振込による日本円とイーサでの支払いを選べる。

<NFT購入者特典>
 初回購入者限定で「Merry Christmas Mr. Lawrence―2021」フルバージョンのWAVファイルを期間限定でダウンロードできるリンクを後日メールで送信。また、同曲の直筆楽譜を入手できる権利NFTのオークションに参加することが付与される。

<直筆楽譜のオークション>
 「Adam byGMO」で販売。開始価格は10万円でオークション期間は24日午前0時~25日午後11時59分。落札者には後日、Adam byGMOから連絡があり、実物の直筆楽譜が送付される。   

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