佐藤康光九段 棋王戦挑戦者争い脱落 連盟会長が挑戦なら大山十五世名人以来36年ぶりだった

[ 2021年12月13日 21:11 ]

佐藤康光九段
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 日本将棋連盟会長の佐藤康光九段(52)は13日、東京・将棋会館での第47期棋王戦敗者復活戦で郷田真隆九段(50)に197手で敗れた。渡辺明棋王(37)=王将、名人の3冠=への挑戦権は佐藤、郷田、先に挑戦者決定2番勝負進出を決めた永瀬拓矢王座(29)の3人に絞られていたが、佐藤は脱落。来年2~3月開催の5番勝負進出となれば、連盟会長がタイトル戦出場するのは1986年名人戦の大山康晴十五世名人以来36年ぶりだったが持ち越しになった。

 振り駒の結果、佐藤は後手。戦型は後手番で佐藤が多用する振り飛車へ進んだ。三間から角交換の後、向かい飛車へ移行。先に穴熊に囲った佐藤王に対し、郷田王も昼食休憩前に9筋の香を押し上げ、相穴熊に決まった。

 竜金交換へ踏み込んだ郷田が先に佐藤王に迫ったが、佐藤も2枚飛車のサイド攻撃で反撃。しかし自陣へ引きつけた竜が結果的に守りにしか働かず、次第に劣勢へ陥った。

 共に50代の「羽生世代」。50代以上のタイトル戦出場となれば昨年、豊島将之竜王に挑んだ羽生善治九段以来。敗者復活戦から勝ち上がる郷田は永瀬との挑戦者決定2番勝負で2連勝すれば挑戦権を獲得。対して永瀬は1勝すれば挑戦権を得る。

 佐藤がタイトル戦に接近するのは7月の王座戦挑戦者決定戦以来。木村一基九段(48)に敗れ、2013年に失冠した本社主催・王将戦以来のタイトル戦出場を逃した。現在全8冠のタイトルホルダーは渡辺が最年長。藤井聡太竜王=王位、叡王、棋聖含む4冠=が19歳で快進撃を繰り広げる一方、その父親世代の佐藤も衰えぬ存在感を発揮している。

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2021年12月13日のニュース