瀬戸内寂聴さん死去 99歳 自宅「寂庵」には弔問客の姿 地元の女性「あと半年で100歳、残念」

[ 2021年11月11日 14:05 ]

京都市右京区の瀬戸内寂聴さんの「寂庵」。中はひっそり静まりかえっている
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 9日に99歳で亡くなっていた瀬戸内寂聴さんの訃報を受け、寂聴さんが住んでいた京都市右京区の「寂庵」には早々に弔問客が訪れていた。

 近くに住む75歳女性は「インターネットで知りました」と駆けつけたそうで、「毎月1回、お話を聞きに来てました。でも、コロナになって、もう、1年以上も会は開かれたなかったと思います」と語った。寂聴さんについては「気さくな方で、面白い話をたくさん聞かせていただきました。あと半年で100歳だったのに、残念です」と肩を落とした。

 また、近くの70代男性は「気軽に話をしてくださったけど。寂しくなりますね」と目を伏せた。

 自宅前には「取材・来庵は当面お断りしております」との張り紙が貼られ、関係者はインタホーン越しに「取材はお断りしてます」とだけ答えるにとどまった。

 ◆瀬戸内 寂聴(せとうち・じゃくちょう)さん 1922年(大11)5月15日、徳島市生まれ。旧名は晴美(はるみ)。仏壇店の次女として生まれ、後に養子となり瀬戸内姓となる。43年、東京女子大在学中に見合い結婚、女児を出産したが、不倫相手とともに夫と3歳の娘を残して京都へ移った。離婚が成立すると東京に戻り、少女小説を書き、56年に「女子大生・曲愛玲」で新潮同人雑誌賞を受賞。長く雑誌、新聞などに恋愛、伝奇小説を連載した。73年に天台宗で得度し法名を寂聴に。88年から京都・嵯峨野の寂庵に住む。同年出版の「寂聴 般若心経」がベストセラーとなり注目され、「源氏物語」の現代語訳でも話題に。その後も執筆、法話など幅広く活動。

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2021年11月11日のニュース