志の輔落語を映画化 主演の中井貴一、ほれ込み直談判「スタッフでもいいから作りたい」

[ 2021年11月9日 05:30 ]

映画「大河への道」で現代劇と時代劇の一人二役を演じる主演の中井貴一(中央)、松山ケンイチ(左)、北川景子
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 俳優の中井貴一(60)が、立川志の輔(67)の創作落語を映画化する「大河への道」(監督中西健二、来年5月20日公開)に主演する。中井がほれ込み、志の輔に直談判して映画化権を取得。日本初の全国地図(伊能図)を作った伊能忠敬を巡る、現代劇と時代劇を融合させミステリー色も加味した喜劇。中井をはじめ共演の松山ケンイチ(36)、北川景子(35)ら主要キャスト全員が、現在と過去でそれぞれ一人二役を演じる。

 志の輔の落語「伊能忠敬物語―大河への道―」は2011年初演で、再演を繰り返している人気演目。千葉県香取市にある伊能忠敬記念館を訪れた際、伊能図と現在の日本列島との誤差がわずか0・2%だったという驚きを落語で表現したいと思い、生み出された。

 その高座に感銘を受けたのが、かねて「時代劇を日本の文化、伝統として残したい」と思い続けてきた中井。「自分が主役ではなく、スタッフでもいいから作りたい」と直接思いをぶつけた。志の輔も「随分熱いお電話で、中井さんなら間違いないと思ってお任せしました」と快諾した。

 香取市の観光促進事業として忠敬を主人公にした大河ドラマのプロジェクトが立ち上がるが、忠敬は伊能図が完成する3年前に亡くなっていたことが発覚。一方、江戸時代の1818年には忠敬の死で弟子たちに悲しみが広がる中、測量を管轄する幕府天文方による壮大な隠密作戦が始動する。

 中井は市の総務課主任と天文方の高橋景保役。「気楽に見られる時代劇。でも、その中にある驚くべき事実。大いなるロマンを、ぜひお楽しみになってください」と自信をのぞかせる。志の輔も両時代でカメオ出演しており、「不思議な設定や斬新な映像表現など、ひょっとすると今までなかったような映画になるかもしれません」と期待している。

 《松ケン「楽しんで遊びつくした」北川「懐の深さを間近で感じた」》松山は、市役所総務課員と景保の助手役に挑戦。中井とは12年NHK大河ドラマ「平清盛」以来の共演で、「普段笑いながら話していた雰囲気のままできた、僕自身楽しんで遊びつくしたような現場でした」と満足げだった。中井と初共演の北川は、観光課課長と忠敬の妻エイ役。「中井さんの懐の深さや温かさを間近で感じ、人間として多くのことを学ばせていただきました」と感謝した。

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2021年11月9日のニュース