開催予定地・北海道グルメにニッコリ 千田七段、JT杯初出場で羽生九段に勝利 2回戦で藤井2冠と激突

[ 2021年8月28日 17:56 ]

JTプロ公式戦1回戦第4局で羽生善治九段に勝利した千田翔太七段
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 将棋日本シリーズ「JTプロ公式戦」の1回戦第4局が28日、東京都渋谷区のシャトーアメーバで指され、本棋戦初出場の千田翔太七段(27)が72手で羽生善治九段(50)に勝利し、ベスト8最後の1枠に名乗りを上げた。9‪月25日に予定されている2回戦では準決勝進出をかけて藤井聡太2冠と戦う。

 初出場の千田が、最多32回連続のレジェンド羽生から嬉しい初勝利を上げた。「羽生九段は相手の流れを自分のものにしてしまうのが大変得意な方。準備をしすぎるのも良くないのかなと思って、なるべく流れに乗らず耐える意識をしていた」と対策。角換わり早繰り銀の進行で「小競り合いの多い将棋で、互いにリスクがあった」という。難解で緊迫した中盤戦では激しい攻め合いを演じ、終盤の入り口で千田がギアチェンジ。羽生がと金を引き、千田が銀を成り込んだあたりで「リードを意識した」。羽生玉をめがけて直線的に突進する激しい攻めを連続で繰り出し、投了に追い込んだ。

 2004年のJT将棋日本シリーズ大阪こども大会高学年部門で優勝を経験。プロ公式戦に凱旋を果たし、「小学生時代のことを思い出しながら感慨に浸りました。限られた棋士しか出られない棋戦ですので出場が決まった時は喜びを感じた」と話し、和服を新調してこの日に臨んだという。

 次戦では王位、棋聖両タイトルの防衛を果たした藤井と対戦する。過去の対戦成績は1勝4敗と負け越しているが、20年の朝日杯準決勝では藤井を破って決勝に進出し自身初の棋戦優勝を果たした。「相手どうこうよりもまずは自分の力を出し切ること。そこに力を入れていきたい」と静かに次戦を見据えていた。


<北海道7自治体からイチオシご当地めし贈呈>

 例年全国各地で公開対局として開催されるJT杯だが、2020年大会から新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、開催地の状況によってスタジオでの無観客対局が行われている。今局は札幌市内での公開対局が予定されていたが、北海道が緊急事態宣言の対象地となったことで、都内スタジオでの無観客開催と変更された。

 北海道大会の開催を記念して、旭川市、帯広市、北見市、釧路市、札幌市、苫小牧市、函館市の7自治体が、まだまだ知られていないイチオシご当地めし「どさんこ名産品」を準備。本来は公開対局の場でのPRを予定していたが、開催が見送りとなったため「チャップ丼&新子焼(旭川市役所)」、「十勝帯広の豚丼(帯広市)」、「北見たまねぎのスープ&たまコロ(グリーンズ北見)」、「釧路ラーメン(釧路市役所)」、「スープカレー(カレーのマチさっぽろ推進委員会)」、「ホッキカレー(苫小牧市役所)」、「函館朝市海鮮丼(函館朝市共同組合連合会)」の豪華7品が今局の出場者に贈呈されることになった。千田は魅力的なメニューを前に、「気になるのは、たまコロ。この上なくありがたい」と満面の笑みを浮かべていた。

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2021年8月28日のニュース