隆盛ジャニー喜多川体制「長男」マッチ去り終焉 退所10人中40歳以上6人 世代交代進む

[ 2021年5月1日 05:45 ]

近藤真彦 ジャニーズ事務所退所

◇ジャニーズ事務所を退所した主なタレント◇
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 【記者の目】2019年7月にジャニー喜多川前社長が亡くなり、同9月に新体制が発足したジャニーズ事務所。精神的な支柱だったジャニー氏を失った影響は大きく、所属タレントが相次いで離脱。退所が決まっているタレントを含めると、近藤で10人目(ジャニーズJr.を除く)になる。

 10人のうち、6人が40歳以上。ジャニーさんの死後わずか2年で世代交代が一気に進んだ格好だ。

 この流れを象徴するのが、今回の近藤の独立劇だ。ジャニーズ隆盛の流れをつくった「たのきんトリオ」の中で唯一事務所に残り、40年にわたって活動。「ジャニーズの長男」と呼ばれ、特別扱いを受けてきた。事情を知る音楽関係者は「事務所への貢献度が大きい近藤だからこそ、芸能とレース活動を並行して行うことが許された。ただ二足のわらじを履いたことが、後輩タレントや事務所社員との交流が減る原因になったのも事実。芸能活動に専念していれば今回の退所はなかったかもしれない」と語る。

 昨年9月には、最大の理解者だった藤島メリー泰子氏が代表取締役会長を退き、名誉会長になった。近藤の退所は、創業者のジャニー氏とメリー氏による体制が完全に終焉(しゅうえん)したことを意味する。

 今後「長男」の座は東山紀之(54)が受け継ぐことになる。ジャニーズのタレントが先輩を「くんづけ」で呼ぶことに怒りを感じるとテレビ番組で語るなど、上下関係に厳しい印象があった近藤に対し、東山は背中で引っ張っていくタイプ。かつてはジャニー氏とメリー氏を中心に強い一体感を誇ったジャニーズだが、先輩後輩の関係性は緩やかなものになっていきそうだ。

 取材では、事務所が新体制に移行し世代交代が進む中、近藤としてもふさわしいタイミングが来れば独立する道を思い描いていた。それが自身の不祥事を機に早まってしまったのは残念でならない。(文化社会部デスク・小枝 功一)

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